(写真:ショット、パットともに冴えを見せた池田勇太がトップに浮上した。)

 1日、男子ゴルフ国内ツアー「~全英への道~ミズノオープンatザ・ロイヤル ゴルフクラブ」の第3ラウンドが行われた。この日、トータルヤーデージ8016ヤードと国内ツアー史上最長となったコースセッティングの中、イーブンスタートの池田勇太が躍進。前半ホールの4連続を含む8バーディー、13番ホール(551ヤード・パー5)ではイーグルを奪い、トータル6アンダーでトップに立った。

 

  2位にはこの日、3アンダーでトータル5アンダーのチャン・キム。4アンダーのウォンジョン・リー、キム・キョンテが3位タイで並び、3日目を8アンダーとトップで出た今平周吾は5オーバー、トータル3アンダーで5位タイで最終日を迎える。

 

 ミズノオープン大会3日目のこの日、各ホールのティーグラウンドが一番後ろに下げられ、トータル8016ヤード、世界基準を標榜するザ・ロイヤルGCの誇るモンスターセッティングとなった。昨年の8007ヤードを上回る国内ツアー史上最長である。前日よりも強い東寄り3メートルの風の中、4組スタートの池田がスコアを伸ばした。


「ショット、パターともに距離、精度が出せた」と、池田は3番ホールでバーディーをとると続く4番、5番、6番と4連続バーディー。前半折り返しの9番ホールもバーディーと快調にスコアを伸ばした。11番でもバーディーの池田は、さらに13番ホールでは、第2打、残り238ヤードを奥のグリーンエッジまで運び、カップまで5メートル。これを沈めてイーグルを奪った。15番、16番でもバーディーをとった池田だったが、17番はダブルボギー、最終18番もボギーとなってトータル6アンダー。今季、ツアーでは予選落ちなど波に乗れなかった池田は、復調の今回をこう振り返った。
「16番までは、流れをつくっっていけた。ただあがりの2ホールが……。最終日の明日こそ今日の16番までのような自分らしいゴルフをしたい。今日のことは今日のこと。明日、いちから仕切り直し」

 

(写真:1番ホールのボギーからリズムを崩したかこの日、5オーバーの今平。)

 史上最長の8000ヤード超のセッティングについては、こう語っている。
「今日は8000ヤードという距離を感じることはなかったけど、それは自分の調子が良かったから。今日、スコアを崩した選手は当然、距離を感じていると思う。最後の2つのようにスコアを崩すことになれば、距離を実感してしまう。今季、波に乗れない部分があったけど、自分のゴルフをいかせるこういう長いコースに立ち向かうと俄然やる気が出る。立ち向かっていくという気持ちが出た。明日も自分の中で良いプレーをしたい」

 

(写真:2アンダーでスタートしたチャン・キム、7バーディーで単独2位につける)

 池田と同じくスコアを伸ばしたのが2位のキム。飛距離が持ち味のキムは「距離が伸びたことでチャンスが増える」と、この日の8000ヤード超のアドバンテージを存分にいかした。後半13番から16番まで連続バーディーを奪うなど、ショットが冴えた。

 

 2016年の賞金王である池田、腰の負傷から立ち直ったキムが、復活を期して最終組で臨むミズノオープン最終日。前の組で回る昨年の賞金王・今平、飛ばし屋で知られる永野竜太郎らの巻き返しも予想される。

 

 5位タイの永野は「飛距離はアドバンテージになるが、グリーンは硬くて速いし、ラフからはアプローチも難しい。ショートゲームが大事になる」と最終日に向けて気を引き締める。「全英、最終日次第ですが楽しみな位置です」(永野)。全英切符をかけ、最終日も熱戦が予想される。

 

(取材・文・写真/SC編集部・西崎)

 


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