3日、韓国・仁川でのアジア競技大会は陸上最終日が行われ、男子マラソンで松村康平(三菱重工長崎)が2時間12分39秒の2位で銀メダルを獲得した。最後のトラック勝負までもつれる接戦を制したのはハサン・マフブーブ(バーレーン)。松村とはわずかに1秒の差だった。川内優輝(埼玉県庁)は2時間12分42秒でトップと僅差の3位に入り、銅メダル。3年前にカンボジア国籍を取得したタレントの猫ひろしは、2時間34分16秒で14位だった。陸上競技は7日間で47種目を実施。日本は計22(金3、銀12、銅7)個のメダルを手にした。金メダルの数は1個減ったものの、総数では前回の中国・広州大会の20個を上回った。卓球は男子ダブルス準決勝で松平健太(ホリプロ)&丹羽孝希(明治大)組が中国のペアに1対4で敗戦。2大会連続の銅メダルとなった。男子バレーは日本が決勝でイランに1−3で敗れ、銀メダル。広州大会に続く連覇はならなかった。
【金3個。目標の10個には届かず 〜陸上〜】

 最後まで粘りを見せたものの、日本勢が一番にゴールテープを切ることはできなかった。19人の参加となった男子マラソン。昨日の女子と同様にスローペースでレースは展開された。日本の松村、川内は10人以上で形成された先頭集団前方につけていた。各選手が牽制しつつ、徐々に1人、2人と脱落していった。30キロ過ぎの給水ポイント付近では、川内が遅れた。それでも先頭グループのペースが上がらないとみるや、川内は力走。再び追いつき、5人の集団となった。35キロを過ぎたところで1人、41キロ付近で1人と減っていき、最終的にはマフブーブ、松村、川内の三つ巴の争いに。金メダルの行方は、トラック勝負となった。競技場に入ると、川内が少し離される。あとはマフブーブと松村のマッチレースとなった。マフブーブは過去2大会はトラック種目で金メダルを獲得しているスピードランナー。松村も最後まで粘ったものの、最後の直線で引き離された。女子同様に日本勢の金メダルを阻んだのは、ケニア出身のランナーだった。男子マラソンをもって、陸上競技は全日程を終了。金メダルは3個、日本陸上競技連盟が目標に掲げていた10個には届かなかった。

<男子マラソン>
2位 松村康平(三菱重工長崎) 2時間12分39秒
3位 川内優輝(埼玉県庁) 2時間12分42秒

【前回からメダルは半減 〜卓球〜】

 中国の壁は厚かった。男子ダブルス準決勝に臨んだ松平&丹羽ペア。マ・ロン&チャン・ジィカ組は、いずれもシングルスで世界ランキング1位になった経験のある難敵だ。それでも松平&丹羽ペアは、第1ゲーム11−8と接戦を制した。幸先良く先取した松平と丹羽だったが、第2ゲームは9−11で落とす。これで一気に流れが傾いたのか第3ゲームは4−11。その後は8−11、9−11で奪われ、準決勝敗退が決まった。日本勢は最終日を残して、これで全滅。今大会の獲得メダル数は女子団体が銀、男子団体と男子ダブルスと混合ダブルスが銅メダルと、4年前の広州大会の半分となる計4個だった。卓球界の勢力図の中心にあるアジアの大会とはいえ、少し寂しい結果となった。

【龍神NIPPON、連覇ならず 〜男子バレーボール〜】

 4年前の再現とはならなかった。決勝に進出した全日本男子は、2010年広州大会と同じ相手のイランに1−3で敗れ、銀メダルに終わった。今年の世界選手権でアジア最上位の6位だったイランが、アジア大会初の金メダルに輝いた。第1セット、26−28で惜しくも落とした全日本は、第2セット、清水邦広のスパイク、越川優のサーブが次々と決まり、25−23で奪った。しかし、第3、4セットともに19−25で奪われ、連覇とはならなかった。