22日、第101回記念全国高校野球選手権大会決勝が行われ、履正社(大阪)が星稜(石川)を5対3で下し優勝を飾った。履正社は初優勝。石川県勢初の甲子園制覇が期待された星稜は、先制したものの終盤、履正社の勢いに一歩及ばなかった。

 

8月21日(水)

◇決勝

 

岩崎、好救援&ダメ押しタイムリー。星稜、2回以降毎回出塁も活かせず
履正社(大阪) 5 = 003|000|020
星稜(石川) 3 = 010|000|200
本塁打(履)井上3ラン

 

 

 どちらが勝っても初優勝となる決勝戦、星稜は奥川恭伸、履正社は清水大成の先発で始まった。1回、履正社は1死から2番・池田凜がレフト線を破り、これがスリーベース。いきなり先制のチャンスを迎えたが続く3番・小深田大地が一塁ファウルフライ、4番・井上広大が見逃し三振に倒れた。続く2回表にも先頭・内倉一冴がヒットで出塁。送りバントで1死二塁の好機を作ったが、後続が倒れ、この回も無得点に終わった。

 

 エース奥川の好投に応えたい星稜は2回裏、先頭の4番・内山壮真がレフト前ヒットで出塁。これを手堅くバントで送って1死二塁。6番・福本陽生が三振の後、7番・岡田大響が右中間フェンス直撃のツーベースを放ち先制、1対0とリードした。直後の3回表、履正社が反撃に出る。2死から連続フォアボールで一、二塁として、打席には4番・井上が。井上は奥川の高めスライダーをとらえ、この打球は左中間スタンドに飛び込んだ。井上のこの夏3本目の本塁打で履正社が3対1と逆転した。

 

 このまま奥川を攻略したい履正社だったが、奥川は4回表を無失点で切り抜け、5回、2死満塁の場面で迎えた井上に対し、153キロのストレートを真っ向から投げ込み、見逃し三振。笑顔でベンチへと引き上げていった。6回、7回も無失点で切り抜け、迎えた7回裏、星稜は1死二塁から山瀬慎之助のタイムリーツーベースで1点差にせまり、さらに知田のライト前ヒットで同点。ここで履正社はピッチャーを岩崎峻典に代え、星稜はなおも2死満塁と攻めたが、岩崎が踏ん張り同点止まり。試合は3対3で終盤を迎えた。

 

 同点に追いつかれた直後の8回表、履正社は先頭・内川が右中間を破るツーベースで出塁し、すかさず送って1死三塁。100球を越えても疲れの見えない奥川だったが、7番・野口海音に初球を弾き返されて4対3、履正社に勝ち越しを許した。続く9番・岩崎もレフト前に運び、さらに1点を追加。5対3と履正社が再び試合をリードした。

 

 9回表、奥川は自己最速の153キロを投げ込むなど気迫のピッチングで履正社の攻撃をゼロに抑えた。9回裏、星稜の攻撃。9番・山瀬の打球はマウンドで跳ねてセンター前へ。1死のあと2番・有松和輝がレフト前へ運んで一、二塁。一発が出れば逆転サヨナラの場面で3番・知田が打席に入ったが、最後はセカンドゴロ、ゲッツー。履正社が今春センバツで敗れた星稜に雪辱を果たし、春夏通じて初の甲子園優勝を飾った。

 

(文/SC編集部・西崎)