21日、セ・リーグ首位で優勝へのマジックナンバーを2としていた巨人が横浜DeNAと対戦。3対2でDeNAを下し、5年ぶり37回目の優勝を決めた。今季、巨人の監督に復帰した原辰徳監督は、これが8回目のリーグ優勝となった。

 

 敵地・横浜スタジアムで迎えたDeNAとの直接対決。勝てば優勝の決まる大一番に、ドラフト6位ルーキー戸郷翔征がマウンドに上がった。プロ初登板初先発の戸郷は3回、乙坂智に先制2ランを浴び2点を失ったものの、4回2/3を投げ、わずか4安打。4奪三振2失点と試合をつくった。

 

 巨人は6回までDeNAの先発・上茶谷大河にわずか2安打。0対2で迎えた7回、岡本和真がツーベースで出塁し、大城卓三がフォアボール。1死一、三塁から相手のパスボールで岡本が生還し、1対2と1点差に迫った。

 

 9回、DeNAは守護神・山崎康晃をマウンドに送った。1点差を追う巨人は2死から重信慎之介、若林晃弘がフォアボールで出塁。続く小林誠司がライト前タイムリーを放ち、2対2。試合は延長戦に入った。


 10回、亀井善行、坂本勇人が連続フォアボールで出塁。2死一、三塁となったところで途中出場の増田大輝がセンター前に弾き返し、三塁走者の亀井が返り、巨人が3対2と勝ち越し。10回裏はルビー・デラロサが三者三振で締めくくり、ゲームセット。優勝した巨人は、クライマックスシリーズ・ファイナルステージ(10月9日~)でファーストステージの勝者と対戦する。

 

 投打のバランス

 4年ぶりに現場復帰した原監督は、オフから精力的な動きを見せた。広島から丸佳浩、西武から炭谷銀仁朗をFAで獲得するなど大型補強を経て開幕を迎えた。

 

 広島との開幕戦こそ0対5で落としたものの、その後、4月4日の阪神戦でドラフト1位ルーキーの高橋優貴が大卒新人では59年ぶりとなる初登板初先発勝利を飾るなど6連勝。3月-4月を16勝10敗と勝ち越した。途中、セカンドレギュラーとしてブレークした吉川尚輝が腰痛離脱、守護神ライアン・クックの乱調などもあり、5月は9勝13敗1分と負け越し、首位の座を広島に譲った。5月12日には坂本が開幕から36試合連続出塁のセ・リーグ記録をマークした。6月、一時は順位を3位まで落としたものの、交流戦11勝7敗と勝ち越し、中旬には首位へ返り咲いた。

 

 前半戦を首位で終え、8月上旬には2位のDeNAに0.5バーム差まで迫られたものの、首位に踏ん張り、そのまま振り切りリーグ優勝を果たした。

 

 投手陣では菅野智之が11勝6敗、山口俊が15勝4敗をマーク。この2人を軸に4年目の桜井俊貴(8勝6敗)、C.C.メルセデス(8勝8敗)、高橋(5勝6敗)と駒が揃い、チーム防御率は.376(リーグ2位)。野手では坂本、丸を中心にして若き4番・岡本が今年も躍進。30本塁打、89打点と活躍した。主に2番で起用された坂本は39本塁打、打率3割1分4厘、3番の丸も27本塁打、打率2割9分4厘と主軸としての役割を果たしている。また重信、亀井善行ら脇を固める打者も安定感を見せ、チーム打率2割5分8厘(リーグ2位)、647得点(リーグ2位)、177本塁打(リーグ1位)と、どこからでも得点を奪える打線として機能した。


 クライマックスシリーズに向けてはエース菅野が腰痛で離脱中など、投手陣に若干の不安を残す。12年以来、7年ぶりの日本一。通算23度目の栄冠に向け、原巨人のポストシーズンの戦いが始まる。

 

 

(文/SC編集部・西崎)