国体代表の弓道部・玉木。3大会ぶりの上位入賞を目指す!

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 9月28日に開幕する「いきいき茨城ゆめ国体」(以下、茨城国体)に向け、愛媛県選手団の結団式・壮行会が3日、愛媛県内で行われた。茨城国体に出場する愛媛県選手団は総勢624人(役員31人含む)で、計37競技に出場する。結団式で選手たちを前に中村時広県知事はこうエールを送った。「目標は天皇杯10位台。一昨年、えひめ国体が開催され、過去の例からすると地元開催の翌々年が残念な結果に終わるとスポーツ熱が冷めると言われています。でも、皆さんについては心配していません」。愛媛県スポーツ協会も県内のスポーツ熱維持に力を入れ、「えひめ国体以後」も各スポーツの強化に余念がない。昨年の福井国体は目標としていた天皇賞13位以内を上回る12位。茨城国体も目標以上の成績が期待されている。

 

 愛媛県勢躍進の一翼を担うのが成年女子弓道だ。ダイキ弓道部からは今年、主将の玉木里奈が成年女子代表として出場する。玉木を代表に送り出した原田喜美子監督はこう語った。
「今年の代表選考にあたり、最終強化選手としてダイキ弓道部の玉木、山下花凜、松山絵未那、西内愛梨の4人に大学生2人(瀧水幸虹、越智夢叶)の計6名が選ばれました。そこから3人に絞られたわけですが、今年はどの選手もレベルが高く、誰が代表になってもおかしくないという状況でした。その中で代表は玉木/瀧水/越智という組み合わせに決まりました。ダイキ弓道部監督という立場では、代表全員がダイキで、と願っていましたが、それは叶わず残念な思いがあります。でも、瀧水さんも越智さんもとても優秀な選手で、そこに玉木を加えた3人はベストな代表メンバーと言っていいでしょう。愛媛県のためにいい結果を残してくれると信じています。また選ばれなかったメンバーは、この悔しさをバネにさらに成長してくれることを期待します」

 

 代表に選ばれた玉木は「雪辱に燃えています」と語り、こう続けた。
「ダイキに入ってから国体は和歌山、岩手と結果を残していましたが、地元開催のえひめ国体では予選落ち、去年の福井国体はブロック大会で敗れて出場できず、と大変悔しい思いをしました。だからこそ、"今年は!"と例年以上に強い思いがあります」

 

 雪辱を期す玉木は、8月25日に行われた四国ブロック大会が最も緊張したと言う。
「国体本番というのは当然、プレッシャーはありますが、それよりも試合をする楽しみの方が大きいです。しかし、ブロック大会は負けたら終わり、という重圧をとても感じます。今回も"いつもどおり""平常心で"と弓を引いたつもりですが、とても緊張しました。しかも、ブロック大会に向けて、かなり前から仕上がっていたことも逆にプレッシャーになりました」

 

 玉木によれば、ブロック大会1カ月前に「ここで大会が来ればいいのに」というところまで仕上がったという。だが、この早い仕上がりが逆に本番直前に仇となった。
「もう何もすることがない、というところまで仕上がっていたこともあって、逆に本番直前になって急に”あれ、どうしよう。もっとこうしておかないといけないんじゃないか"と、少し調子を崩してしまったんです。なんとかそれは克服してブロック大会で勝ったので良かったのですが、その反省から今は国体本番に向けて、毎日悩みながら練習を行っているんです」

 

 悩みながらとは? と聞くと玉木はこう答えた。
「悩みというか課題を毎日、自分に課しているという感じです。もう何もすることがないという状態に早くなると直前にプレッシャーに見舞われることが分かったので、それなら毎日、悩み、課題を克服するように練習していけば、本番まで焦ることなくコンディションを整えられる。そう考えて、10月の国体本番を迎えたいと思っています」

 

 さて、惜しくも代表入りを逃した他の部員についても聞いた。「あそこまで残ったことを誇りに思ってほしい」と言う玉木は、後輩たちをこう評している。

 

「今年の代表選考は本当に6人全員がハイレベルでした。ダイキの部員がそこで群を抜くことができなかったのは残念ですが、山下、松山、西内の3人はこの経験で技術も精神力もすべて向上したと思います。悔しくてちょっとヘコんだところはあると思いますが、それでも代表選考後も強化選手の練習に参加しています。私はその彼女たちから"もたもたしてたら、いつでも私が代わりますよ!"というオーラを感じています。おしりを叩かれて、すごく刺激をもらっています。ここまで来られたのがすごいんだ、と胸を張ってもらいたいです。国体の間、部を留守にしますが、帰ってきたらすぐ週末に愛媛県勤労者弓道選手権大会(10月13日)があります。私のいない間にも精進してもらい、帰ってきたら"あれ、私の出る幕ないじゃん"とか思わせてほしいです。今回の代表選考を経て、後輩たちはみんな頼もしく、心強い存在になりました。彼女たちは私より一足早く、来年の国体に目を向けています。1年後は一緒に国体で活躍できたら、それが主将としての私の思いです」

 

 最後に改めて、茨城国体の目標を聞いた。
「やはり3大会ぶりの雪辱です。優勝を果たして、皆さんにいい報告がしたいです。代表で一緒になった2人は去年、少年女子で優勝しています。私は"3大会ぶり雪辱!"と意気込んでいますが、彼女たちは"出るからには上を目指しましょうよ"という、とても明るいノリがあるので、そのままで試合に臨んでもらいたいです。9歳下の選手と組むことに最初、ビックリしましたが(笑)、良い雰囲気できています。弓道女子、そして愛媛県選手団への応援をよろしくお願いします」

 

 弓道成年女子は10月4日から7日まで行われる。ダイキ弓道部の思いを背負った玉木と愛媛県代表の活躍を願わずにはいられない。

 

(取材・文/SC編集部・西崎)

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