スポーツ立県を掲げる愛媛県にはお家芸と呼べるスポーツがいくつかある。17年、18年と国体を連覇したビーチバレー(成年男子・長谷川徳海/庄司憲右ペア)もそのひとつだ。昨年の福井国体では村上礼華/松尾優美ペアが成年女子で5位入賞。こうした全国レベルでの活躍とともに県内のビーチバレー人気の起爆剤になっているのが、昨年から始まったジャパンビーチバレーボールツアーの松山大会である。


 ジャパンツアー第5戦として行われる松山大会の舞台は、松山城の天守閣を見上げる城山公園の特設コートだ。町中に砂を運び込んで作られたコートなら、アクセスに優れ集客も期待できる。初開催となった昨年も初日は悪天候に見舞われたものの、翌日は快晴となり、多くの観客が観戦に訪れた。

 

 日本ビーチバレーボール連盟強化委員、そして松山東雲女子大ビーチバレー部監督の佐伯美香は初開催だった昨年を「あいにくの悪天候ながら翌日は多くのお客さんが見に来てくれました」と振り返り、「今年も是非、見てもらいたい」と意気込んでいる。

 

 佐伯に今年の松山ラウンドの見どころを聞いた。
「2020年に東京オリンピックを控えてトップ選手はワールドシリーズを転戦中ですが、その分、ジャパンツアーは若い世代の選手が活躍中です。愛媛の地元選手では村上礼華に注目です。今季から坂口佳穂とペアを組み、沖縄、東京とジャパンツアーを連勝しているので、地元・愛媛でも当然、活躍が期待できます。また坪内紫苑/松尾優美の松山東雲女子大のペアにも注目してください。坪内は大学選手権4位の実力派。このペアでは入賞経験もあるので地元の応援を受け、躍進も期待できます」

 

 国体においてビーチバレーの成年男女は昨年までとなり、今年からクラスが少年男女に絞られた。インドア、ビーチバレーと両方でオリンピック出場経験のある佐伯は、ビーチバレーの将来をこう見据える。

 

「日本ではインドアを長くやってその後、ビーチ転向という選手が多数を占めています。一方、世界に目を転じるとブラジルはインドアU-21代表だった選手が翌年にはビーチに出ていたりと若年層の活躍が目立ちます。国体が少年男女になったことで、バレー強豪校がビーチにも目を向けることになるでしょう。また昨今は少子化なので6人必要なインドアよりも、2人で出られるビーチの方が将来の競技人口拡大の面では期待できます。すぐ世界レベルにというわけにはいきませんが、徐々に日本のビーチバレーも若年層からの強化を図っていけば世界で常に戦えるレベルになると思っています」

 

 愛媛県内には国体を機に整備されたスポーツインフラが数多く存在する。ビーチバレーでは五色姫海浜公園ビーチバレーコートなどがそれにあたる。また松山・城山公園でのジャパンツアー開催も競技人口の増加に寄与することは間違いない。アクセス至便の市街地特設コートで行われるジャパンビーチバレーボールツアー松山大会は見逃せない一戦となる。

 

◆ジャパンビーチバレーボールツアー2019第5戦松山大会 開催要項
開催日時/8月24-25日(両日9時開始予定)
開催場所/松山城城山公園特設公園(堀之内)
出場チーム/男女各12チーム
入場料/観戦無料
主催/日本バレーボール協会、日本ビーチバレーボール連盟
共催/愛媛朝日テレビ

 

(取材・文/SC編集部西崎)


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