昨年の競艇界を盛り上げた選手たちを表彰する「平成19年優秀選手表彰式典」が17日、都内で開催された。もっとも成績が優れた選手を表彰する「最優秀選手」にはオーシャンカップ、モーターボート記念とSG2連覇を達成した魚谷智之選手が選ばれた。
(写真:最優秀選手に輝いた魚谷(右)と最優秀新人の岡崎)
 魚谷は賞金獲得額205,374,000円で、初の「最多賞金獲得選手」にも輝いただけでなく、記者投票による「競艇記者大賞」も受賞。“3冠”を達成した。「この賞を励みに、今年も力を出し切りたい」。詰めかけたファン・関係者650人を前に、「SG1勝、GI3勝」と今年の目標を力強く宣言した。

 登録翌年から3年以内の新人から選ばれる「最優秀新人選手」は、5月の笹川賞でSG初出場を果たした岡崎恭裕選手が輝いた。初SGの舞台は「ファンのために走れるという感動があった」という。21歳の若者は「こんな賞をもらえるような成績ではなかったが、もっとGI、SGで経験を積んでいけたら」と今後の飛躍を誓った。

 3年ぶりに「最多勝利選手」の栄冠を手にしたのは、木村光宏選手。1着回数137回は歴代2位の記録とあって、「今年1年、お客様を一番笑顔にした賞だと思っている。胸を張って帰りたい」と喜びを口にした。勝率8.41で「最高勝率選手」となった服部幸男選手は「(最高勝率は)縁がないと思っていた。自分でもできるという実感が沸いてきた」。平成9年に最優秀選手など“3冠”を達成して以来、10年ぶりの晴れの舞台で自信を深めていた。

 また昨年7月に電撃的に引退を表明した植木通彦氏には「特別功労賞」が授与された。「選手は一生懸命やっているが、競艇を知らない人が多いのにビックリした。走ることはできないが、より多くのお客さんにきていただいて、楽しい競艇になるよう力を尽くしていきたい」。ボートを下りても、“艇王”は精力的に競艇の普及に努めている。現役時代のファンや家族の支えに感謝するとともに、第2の人生もボート界に恩返しする決意を新たにしていた。

 昨年3月、45年ぶりにモーターボート競走法が改正され、この4月からはモーターボート競走会と全国モーターボート競走会連合会の2組織が、財団法人日本モーターボート競走会へ一元化される。連合会の蔭山幸夫会長(写真)は「“お客様のために”という理念を堅持し、選手1500名とともに、みんなに競艇を愛していただき、愛していただける組織にしていきたい」と抱負を語った。会長が「競艇新生元年」と位置づける2008年、「POWER&SOUL」のスローガンの下、魂を揺さぶられる力強いレースが生まれそうな熱気が会場には漂っていた。
 表彰された選手は以下の通り。
  
<平成19年優秀選手>

最優秀選手      魚谷智之(兵庫) 初
最優秀新人選手   岡崎恭裕(福岡) 初
最多賞金獲得選手 魚谷智之(兵庫) 初
最高勝率選手    服部幸男(静岡) 初
最多勝利選手    木村光宏(香川) 3年ぶり2回目
優秀女子選手    寺田千恵(岡山) 6年ぶり3回目
競艇記者大賞    魚谷智之(兵庫) 初
特別賞         湯川浩司(大阪) 初
特別功労賞      植木通彦
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