1925年に創立。国内リーグ優勝9回、国内カップ戦優勝7回を誇るチュニジア屈指の名門クラブである。フランスのレンヌなどを率いた経験を持つフランス人監督ベルトラン・マルシャンが指揮を執る。
 アフリカ王者を決めるCAFチャンピオンズリーグ(CCL)では04、05年に決勝に進出したものの、2度とも苦杯を舐めた。07年シーズン、3度目の挑戦でようやく念願が叶った。3連覇と6度目の優勝という2つの記録を狙ったアル・アハリ(エジプト)を決勝で破り、大会初優勝を果たすとともにクラブW杯出場を決めた。

 同決勝では戦前、下馬評で不利が伝えられた。アル・アハリには、05年大会の決勝で0−3と完敗している。ホームでの第1戦をスコアレスドローで終え、さらにその声は高まった。

 しかし、迎えた第2戦(アウェー)で試合を優位に進めたのはエトワールだった。前半ロスタイム、MFアファアン・グハルビ(28)が先制点を記録。一度は同点に追いつかれたものの、後半15分にアル・アハリのDFが退場すると主導権を握り、後半ロスタイムに2点を奪って、王者に土をつけた。
 
 アフリカらしい身体能力の高さを生かした攻撃が最大の武器といえるだろう。アルヒラル(スーダン)とのCCL準決勝では、第1戦を1−2で落としながらも、第2戦で3ゴールを奪って逆転した。取られたら取り返す得点力の高さを持つ。

 キープレーヤーは弱冠19才ながらチームのエースストライカーであるチュニジア代表FWアミヌ・シェルミティ。一瞬のスピードには定評があり、CCLでは通算2位の8ゴールを記録した。CCL決勝第2戦で後半ロスタイムに決勝ゴールを挙げたのは他ならぬシェルミティだった。

 ただ、CCLでは2敗を喫するなど決して完璧な内容で勝ちあがってきたわけでない。各大陸の王者が集うクラブW杯で上位に進出するには、守護神GKアイメン・マトルティ(23)を中心とした守備陣の奮闘も求められるだろう。

 目標はアフリカ勢が過去2大会で達成できていない決勝進出だ。エトワールとはフランス語で「星」の意。サヘルの星は、チュニジアから遠く離れた日本の地で輝くことはできるか。

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