来年1月に開幕する『JAPAN RUGBY LEAGUE ONE』(リーグワン)の東京サントリーサンゴリアスが21日、東京・味の素スタジアムで記者会見を行った。田中澄憲新GMと新加入のSO/FBダミアン・マッケンジーが出席し、リーグワンに向けての意気込みを語った。

 

 一昨季のワラビーズ(オーストラリア代表)CTBサム・ケレヴィ、昨季のオールブラックス(ニュージーランド代表)SO/FBボーデン・バレットに続くビッグネーム獲得だ。これまでもワラビーズのFL/No.8ジョージ・スミス、SHジョージ・グレーガン、SO/CTBマット・ギタウらレジェンド級の選手たちがプレーしてきた。

 

 その点について、田中GMはこう言及した。

「我々のコンセプトとして、世界のトッププレーヤーがいることによって、いい日本人選手も入団してくれていますし、そういう選手と競争し合って成長していく相乗効果がある。今後も一流の選手がサンゴリアスに入ってくることは変わらないと考えています。これから競技レベルもそうですが、日本のファンのみなさんが観に行きたいというところが大事。当然、お金もかかりますが、その分、稼ぐところ稼いで、しっかりチームが持続可能な形にできるようにしていきたいと思っています」

 

 今季補強の目玉となるのがマッケンジーだ。オールブラックス(ニュージーランド代表)40キャップの27歳は、ずば抜けたランニングスキルを誇るラインブレーカー。パススキルが高く、味方を生かすこともできる。“アグレッシブ・アタッキング・ラグビー”を志向するサンゴリアスが獲得するのは必然なのかもしれない。

「我々のアグレッシブ・アタッキング・ラグビーに一番フィットする選手じゃないかと思いますし、アタッキングラグビーのさらなる進化ということを期待しています。あとは日本のファンのみなさんを競技場に足を運ばせたいというのもあります」(田中GM)

 

 当のマッケンジーは、スーパーラグビーのチーフス(ニュージーランド)、オールブラックスの一員として数回来日したことで日本に好印象を得ていたようだ。

「日本の人々の温かさに触れた。すごく優しくしてくれた。日本の食事も好き。自分が日本でプレーするのは時間の問題だった。日本のラグビーの速い展開は自分に合うと確信していた」

 昨季までサンゴリアスに所属していたB・バレットの勧めもあり、「クラブに対してポジティブな話しかなかった。素晴らしい選手も揃っていますし、マネジメントもしっかりしているクラブ。楽に決断できた」とサンゴリアス入りを改めて振り返った。

 

 自身のプレースタイルについて、マッケンジーは「時間とスペースがあるところのプレーが得意。フィールドのどこからでもアタックできる」と述べた。契約は1シーズン。目指すは当然、リーグワン初代王者だ。「(日本でのプレーは)新たなチャレンジ。日本で学んだことをニュージーランドに持ち帰り、23年W杯フランス大会のスコッドに入っていけるように頑張りたい」と語った。サンゴリアスの開幕戦は来年1月8日の東芝ブレイブルーパス東京(味の素スタジアム)とのダービー。マッケンジーのリーグワンデビューが見られるのか。注目が集まる。

 

(文・写真/杉浦泰介)