20日、北京冬季オリンピックのカーリング女子準決勝が国家水泳センターで行われ、日本代表のロコ・ソラーレがイギリス代表に3-10で敗れた。イギリスは2002年ソルトレイクシティオリンピック以来5大会ぶりの金メダル、日本は過去最高の銀メダルに輝いた。銅メダルは3位決定戦でスイス代表を下したスウェーデン代表が獲得した。

 

 初の決勝に臨んだロコ・ソラーレだったが、2018年平昌オリンピック3位決定戦で勝利したイギリスに完敗を喫した。

 

 1次リーグを5勝4敗の4位で突破したロコ・ソラーレは、1次リーグ最終戦で敗れたスイスを準決勝で破り、平昌オリンピックの成績(3位)を超えることが確定した。スキップのイブ・ミュアヘッドを擁するイギリスはロコ・ソラーレと同じ5勝4敗で1次リーグを突破。準決勝で平昌オリンピック金のスウェーデンを下して、この決勝へとコマを進めていた。

 

 ロコ・ソラーレは第1エンドに2点を先制されると、その後も優位に試合を進められた。試合が大きく動いたのは2対4で迎えた第7エンド。先攻のロコ・ソラーレは失点を最小の1点に抑えたいところだったが、ミュアヘッドにダブルテイクアウトを許し、最終投で残っていた1個のストーンも弾き出された。

 

 イギリスが4点のビッグエンド。2対8と突き放された。ビッグエンドを狙いたい後攻の第8エンドは1点止まり。第9エンドで2点を与え、コンシード(ギブアップ)を選択した。4年前のリベンジを果たされたかたちだ。

 

 ロコ・ソラーレは今大会のショット成功率は決勝まで88%を誇っていたが、この日は78%。特にサードの吉田知那美は64%、藤沢五月は69%と精彩を欠いた。一方のイギリスは89%と絶好調。最終2投を担ったミュアヘッドは88%と高確率を叩き出した。

 

「こんなに悔しい表彰式は初めて」と藤沢が語ったように、4人とも「悔しい」と言葉を揃えた。それでも吉田知那美が「1試合の負けですべてを否定するのはもったいない」と言ったように過去最高の銀メダルは誇れる結果だ。

 

 リードの吉田夕梨花は「4年前に立ちたかったアイスに立つことができた。今まで支えてくれた人たちに感謝したい」と口にすれば、セカンドの鈴木夕湖も「銀にはなったが日本で勝ち取ったメダル」とチームメイト、競い合った日本のライバル、サポートしてくれた関係者に感謝しつつ胸を張った。

 

(文/杉浦泰介)