日本サッカー協会は16日、カタールW杯アジア最終予選のオーストラリア代表戦(アウェイ、24日)とベトナム代表戦(埼玉スタジアム、29日)のメンバー27名を発表した。日本はオーストラリア戦で勝利すればグループB・2位以上が確定し、カタールW杯出場が決定する。
アジア最終予選もあと残り2試合。初戦のオマーン代表戦で黒星を喫した後、サウジアラビア代表にも土をつけられた日本代表。苦難の連続だったが、次のオーストラリア戦に勝利すればカタールへの切符が掴めるところまできた。
中でもセンターフォワードと左サイドバックの人選には注目が集まった。右足を裂傷したFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)は昨日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)・プレーオフで120分を戦い切った。ワントップを務め続けているエースは、どうしても手元においておきたいのだろう。
森保一監督は大迫の招集についてこう述べた。
「ACLプレーオフ後のリバウンドも確認して招集した。ここからも経過観察が必要。大迫に関しては(リーグ戦の)清水エスパルス戦もあるのでそこでの状況も見て、オーストラリア戦のメンバーを決めることになると思う」
現在、FC東京で先発の座を掴み切れていない左サイドバックの長友佑都。記者会見では「左サイドバックが3人招集されているが、この理由は?」と水を向けられると、森保監督はこう返した。
「長友のコンディションに不安があるから3人招集したのではない。DFライン全体を考慮した結果の人選。長友はリーグ戦で後半から出場し、ハードに動けている」
大一番を前に、経験豊富な選手は外しにくいのだろう。多くの選手を招集し、トレーニングでの出来を間近で見ての判断になりそうだ。
オーストラリアは近年、テクニカルなサッカーに舵を切っている。しかし、いざとなれば日本が苦手な肉弾戦に持ち込むことも頭にあるだろう。森保監督は「オーストラリア戦はフィジカル的に強く、アウェイでの厳しい戦いになるが、我々にも良い選手は揃っている」と語った。
過去、W杯出場を決めた試合のうち、2試合がオーストラリアに勝利してのもの。だが、指揮官は「データが勝たせてくれるわけではない」と力強く語った。オーストラリア戦でカタール行きを決めるか、ベトナム戦に持ち越しとなるか。森保監督の采配にも注目だ。
<豪州戦、ベトナム戦日本代表メンバー>
GK
川島永嗣(ストラスブール)
権田修一(清水エスパルス)
シュミット・ダニエル(シントトロイデン)
谷晃生(湘南ベルマーレ)
DF
長友佑都(FC東京)
吉田麻也(サンプドリア)
佐々木翔(サンフレッチェ広島)
酒井宏樹(浦和レッズ)
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
山根来視(川崎フロンターレ)
植田直通(ニーム)
板倉滉(シャルケ04)
中山雄太(ズウォレ)
MF/FW
大迫勇也(ヴィッセル神戸)
原口元気(ウニオン・ベルリン)
柴崎岳(レガネス)
遠藤航(シュツットガルト)
伊東純也(ヘンク)
浅野拓磨(ボーフム)
南野拓実(リバプール)
守田英正(サンタ・クララ)
三笘薫(ユニオン・サンジロワーズ)
前田大然(セルティック)
旗手怜央(セルティック)
上田綺世(鹿島アントラーズ)
田中碧(デュッセルドルフ)
久保建英(マジョルカ)
(文/大木雄貴)