田崎健太

ノンフィクション作家

第4回 「広山望という生き方」(後編)

 2004年3月の最後の土曜、僕はフランス人の友人であるマニュエルが運転するシトロエンのワゴンに乗っていた。行き先はモンペリエのBチームの試合会場。  道の左右には葉が全て落ちた木々が、青い空を突き刺すように生えていた。夏になれば、青々とした葉が茂っているのだろうが、この時期は寒々しい印象を与えた。

第1回 「神様ジーコの憂鬱」(前編)

 2007年2月、トルコ・イスタンブール。タクシーから見える街並みは、僕の想像とは全く違っていた。  トルコの商業都市であるイスタンブールはアジアと欧州の文化が交わる場所と呼ばれている。アジア的な混沌とした街を僕は思い浮かべていたのだが、実際は高層ビルの間からタマネギの形をしたモスクが顔を覗かせていることを除くと、フランスやスペインの欧州の大都市と変わらなかった。

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