みなさん、こんにちは。

 香港プレミアリーグの新シーズンが9月に開幕しました。新規参入のドリームメトロギャラリーでプレーすることになった僕は、新しいチームでケガなく元気にやっています。

 

 ドリームメトロギャラリーは元々あった2部のメトロギャラリーが母体とあって、初めてプレミアリーグを戦う選手が多く、メンバー自体も若い。開幕前のキャンプでは思うようにいかないことのほうが多く、トレーニングマッチでも負けが続いていました。そういう状態で開幕を迎えたわけです。

 

 開幕戦は9月12日、ホームでWONG TAI SINと対戦。僕はフォワードで90分フル出場を果たし、チームも2-0で勝利しました。相手は僕らとほぼ同じぐらいの強さのレベル。勝利をつかむことによって若い選手たちは、プレミアリーグで戦える自信を得ることができました。その意味でもチームにとっては大きな1勝になりました。

 

 僕の今季初ゴールは第3節のYUEN LONG戦(9月27日)でした。前半10分過ぎ、クロスに合わせようとヘディングの体勢に入っているところでファウルを受けてPKを得たのです。ほぼ正面、GKの頭上にズドンと強いキックで、先制点を奪うことができました。2点目はその10分後。相手のセンターバックの間をうまく突くことができて、来たパスをワントラップしてから左足で逆サイドのゴールネットに。

 

 チームは試合終盤に2点を奪われたものの、3-2で勝利をつかむことができました。シーズン最初のほうでゴールを奪えたことは良かったと思います。やはり年齢を重ねてきたことで自分自身、大丈夫なのかな、まだやれるのかなという不安はありましたし、ゴールを取っていかないと味方からの信頼も得られないので。この日の2得点で、香港での公式戦通算30得点目となりました。自分でゴールを奪ってチームが勝つことができれば、それに越したことはありません。

 

 ここまで(11月23日時点)リーグ戦は2勝1分け2敗、5位という成績です。

 11月1日には首位を走るイースタンとアウェーで対戦しました。香港リーグには7シーズン以上プレーしている外国籍選手をローカル扱いにする規定があって、イースタンには多くの外国籍選手がいます。そんな強豪に対して、ウチの若い選手たちは凄く頑張ってくれました。何とかアウェーで勝ち点1でも、と思っていたのですが、後半38分に均衡を破られてしまって0-1で敗れました。

 

 悔しい試合にはなりましたけど、収穫も多かったと思います。プレミアリーグをこれまで経験していない若手が本当に躍動してくれましたから。彼らは高いポテンシャルを秘めているし、吸収力もあります。香港のB代表にあたるチームに3人選ばれていて、彼らに続くような若手がもっと出てくればチームとしてレベルアップできるんじゃないかと期待しています。

 

 僕は10月で38歳を迎えました。自分の現役期間がもう残り少なくなってきているのは感じています。将来的には指導者を含め何かしらサッカーに携わる仕事をやっていきたいと考えているので、若い彼らを指導者の目線に立って見ることができるのも、凄くいい勉強になっています。

 

 香港にいても、愛媛FCのことは気にかけています。インターネットで結果とダイジェストを見るぐらいですが、いつも楽しみにしています。

 

 これまで順位をなかなか上げられなかったなかで、今季は5位でJ1昇格プレーオフに出場できるのですから、素晴らしいことです。

 選手もサポーターのみなさんも、一つになってJ1昇格に向かってほしいです。1分、いや1秒、悔いの残らないように、選手は全力でプレーして、サポーターのみなさんは全力で応援してもらえばいいなと思います。

 

 僕にとって愛媛FCは今でも大切な存在です。サポーターのみなさんには入団から退団まで、熱く支えていただきました。いい結果になることを香港から祈っています。

 

 香港にやってきてもうじき3年が経ちます。愛媛FCを退団して一時は引退することも考えました。香港で選手寿命を伸ばしてもらっているので、このリーグで何とか自分の名を残せたらなという思いでやっています。

 

 ここ2シーズンは2ケタ得点をマークできていますし、これから1つずつ積み重ねていって最低でも2ケタは取りたいですね。チームには190cmのカメルーン人フォワードも控えていて、競争に身を置きながら成長していければと考えています。


 個人としては得点王を、そしてチームとしては若い選手たちと一緒に、何か一つでもタイトルをつかむことを目標にしています。

 みなさんに、“おっ、福田はまだまだ頑張っているな”と思ってもらえるように、今シーズンも頑張っていきたいと思います。

 

(このコーナーは第4木曜更新です)


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