10日(日本時間11日)、水泳の女子200メートルバタフライ決勝が行われ、星奈津美(ミズノ)が銅メダルを獲得した。1位はミレイア・ベルモンテ・ガルシア(スペイン)、2位はマデリン・グローブス(オーストラリア)。星はロンドン大会に続いて同種目連続銅メダル。

 

 スタートから25メートルほど、水面に浮かび上がった星はチラリと右前方を見た。視界にはトップをいくグローブスの姿が入った。「後半の強さ」が持ち味の星だが、今回はハイペースで泳ぐグローブス、ベルモンテ・ガルシアに序盤からついていった。

 

 50メートルのターンを3位で折り返した星は、ベルモンテ・ガルシア、グローブスのトップ争いをぴたりとマークする。50mの28秒78は日本記録ペースだった。

 100mのターンの後、ベルモンテ・ガルシアがトップに上がった。2位はグローブス、星が3位で勝負は残り50mとなった。得意の後半で星はトップ2人を完全にとらえて、三つどもえの争いとなった。ベルモンテ・ガルシアがリードして、グローブスと星が2位を争う。最後は0.32秒差、わずかにグローブスが星の猛追をしのぎきった。

 

 涙をタオルで拭いながら星はインタビューにこう答えた。
「準決勝までは思うような泳ぎができなかった。決勝では結果にこだわりすぎて堅くなるよりも、積極的に悔いがないように泳いだ。最後は足も蹴れなくなる、手もかけなくなりました。そんなになるまで初めて出し切れました、悔いはありません」

 

 すべてを出し切ってつかんだ2大会連続の銅メダル。やりきった満足感からか、星は表彰台には満面の笑顔で上がっていた。

 

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