サッカー日本代表(FIFAランキング61位)は12日(日本時間)、オーストリア・インスブルックでパラグアイ代表(同32位)と強化試合を行い4対2で勝利した。試合は前半32分にFWオスカル・ロメロに先制点を許したが、日本は後半6分、18分にMF乾貴士(ベティス)がゴールを決めた。32分に相手のオウンゴールでリードを2点に広げた。45分にリチャル・オルティスにゴールネットを揺らされたが、終了間際にMF香川真司(ドルトムント)がゴールを決めた。

 

 香川が1G2Aの活躍(インスブルック)

日本代表 4-2 パラグアイ代表

【得点】

[日] 乾貴士(51分、63分)、オウンゴール(77分)、香川真司(45+1分)

[パ] オスカル・ロメロ(32分)、リチャル・オルティス(90分)

 

 システムはスイス戦と同じ4-2-3-1だが、パラグアイを相手にスタメンを10人も入れ替えた。

 

 序盤、日本はMF柴崎岳(ヘタフェ)が鋭いタテパスやサイドチェンジで攻撃のリズムをつくる。新司令塔が左右に散らしつつ、隙を見てタテパスを供給している間に日本は得点を奪いたかった。

 

 前線が不発のまま迎えた32分。ロングスローを入れられ、ペナルティーアーク付近でFWアントニオ・バレイロにルーズボールを拾われる。バレイロからロメロにつながれリフティングから振り向きざまで左足を振りぬかれた。鋭いシュートはゴール右に突き刺さり日本は先制を許した。

 

 失点直後、日本は柴崎、MF香川真司(ドルトムント)とつなぎ、MF乾貴士(ベティス)へラストパスがわたる。乾が右足でダイレクトシュートを放つがボールは大きく枠を外れた。40分には柴崎がFKを直接狙うがバーに嫌われた。日本は1点ビハインドで試合を折り返した。

 

 後半、長い間眠っていた日本の攻撃陣がやっと目を覚ました。

 

 6分、センターサークル付近でDF昌子源(鹿島アントラーズ)がボールを持つ。昌子からタテパスを受けた香川がワンタッチで乾へ落とす。乾はペナルティーアーク付近までドリブルで持ち込み、右足インフロントでゴール右を狙った。コントロールショットが見事決まり日本が同点に追いついた。

 

“元C大阪コンビ”の勢いはまだ続いた。18分、FW武藤嘉紀(マインツ)が右サイドからグラウンダーのクロスを供給。これに反応した香川が右足アウトサイドで後方へ流すと乾が右足インサイドでシュート。相手GKに触られたもののボールはゴールに吸い込まれて日本は逆転した。

 

 32分に相手のオウンゴールでさらにリードを広げた日本だが45分、オルティスに弾丸ミドルを決められた。最小失点で試合を終えたかった西野ジャパンだがガーナ、スイス戦に続き3試合連続で2失点を喫した。

 

 しかし、終了間際だった。日本の10番が結果を出す。ゴール前でボールを受けた香川がダブルタッチでひとりかわし右足でシュート。相手DFの股の間を抜けたボールはゴール左に吸い込まれた。

 

 大量4点を奪いゲームセット。西野体制後、初勝利を飾った。試合後、2ゴールを決めた乾は「自信をもって良いサッカーができていた。かたちさえつくることができれば決める自信があった」と語った。

 

 ロシアW杯開幕直前でようやく勝利をあげた西野ジャパン。今回の白星で弾みがつくのはポジティブなことだが失点の多さは気になるところ。初戦のコロンビア戦まで残り1週間。日本は多くの宿題を抱えたままロシアの地へ乗り込む。

 

(文/大木雄貴)