昨季王者のブレイブルーパス東京、開幕白星スタート 〜リーグワン〜
「NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25」ディビジョン1(D1)第1節が22日に行われ、昨季王者の東芝ブレイブルーパス東京が同4位の横浜キヤノンイーグルスを28-21で破った。また同日に行われたD3第1節でヤクルトレビンズ戸田、狭山セコムラガッツの新規参入チームがリーグワン初戦にして初勝利を挙げた。
「選手たちをこれ以上ないくらい誇らしく思います。0-16の厳しい状況からよく我慢し、適応してくれた」(ブレイブルーパスのトッド・ブラックアダーHC)
「いろんな局面の我慢比べで負けていた分、この点差になった」(イーグルスの沢木敬介監督)
試合後、両軍の指揮官が口を揃えたのは「我慢」という言葉。タフなシチュエーションで耐え抜いたブレイブルーパスに軍配が上がった。
日本列島に訪れた寒波が、神奈川・日産スタジアムを包んでいたが、2万を超える観衆が集まり、メインとバックスタンドは両軍のチームカラーである赤に染まった。ホストチームのイーグルスは赤、ビジターのブレイブルーパスが水色のジャージーで試合に臨んだ。
序盤優位に立ったのはイーグルスだ。4分にブレイブルーパスFLシャノン・フリゼルがヘッドコンタクトでイエロー。数的有利になると、SO田村優のPGで先制した。
14分にはSHファフ・デクラークがキックでチャンスメイク。WTBヴィリアメ・タカヤワがキャッチし、FL嶋田直人に繋ぐ。デクラークは嶋田のサポートに走り、パスを受け取るとインゴール中央までボールを運んだ。田村がコンバージョンキックを決め、10-0とした。
イーグルスは敵陣でのプレーを続け、26分と30分にはPGで16-0とリードを広げた。いずれも田村が成功し、正確なキックでチームを盛り立てる。
一方、ブレイブルーパスの反撃は39分。SH杉山優平からHO橋本大吾、CTB眞野泰地と繋ぎ、最後はLOジェイコブ・ピアスとNo.8リーチマイケルの連続オフロードからFB松永拓朗がトライを挙げた。モウンガのコンバージョンキックが決まり、7対16で前半を終えた。
「あの7分(前半33分から終了まで)が後半につながった」とモウンガ。30分以降は自陣からキックで陣地を回復するのではなく、パスで展開する選択をし、アタックの修正を図った。
「前半はチャンスで獲り切れなかった。ハーフタイムにコーチ陣がプランを練り直したものを持ってきてくれた。それを遂行したことによって、うまくいった。ボールをしっかり持ってキャリーし、フェイズを重ねた上でアタックをしていこうと話していました」とフリゼル。すると後半6分、フリゼルが単騎突破でハーフウェイラインからインゴールまで走り抜けた。
15分、CTBセタ・タマニバルのショートパントに反応したのがモウンガだ。ワンバウンドしたボールを膝下でサッカーのトラップのように正確にコントロールする。前方に弾んだボールを自ら掴み取って、インゴール中央にトライ。コンバージョンキックを決め、21-16で逆転に成功した。
23分に同点とされたが30分、前日に急遽スタメン出場が決まったCTB眞野泰地がインゴール中央に飛び込んだ。斜めから走り込み、イーグルスディフェンスの死角からSH杉山優平のパスを受け取った見事なトライだった。「地味なプレーで貢献できたのは良かった」と謙遜したが、試合はこのまま28-21でブレイブルーパスが勝利した。
眞野は「心も身体もタフな試合で勝ち切れたのは、いい流れに持っていける」と手応えを掴んでいる。キャプテンのリーチも「今日の勝利は非常に大きい。自信に繋がると思います。初戦はプレッシャーが掛かる試合だったし、昨季から今季でレベルアップしようという目標がある中、理想通りではなかったですが、それでも勝てて良かったです」と安堵した。
この日、モウンガ選手はプレースキック4本を全て成功し、両軍最多の13得点を挙げた。プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)こそ決勝トライの眞野に譲ったものの、今季もその存在感は絶大だった。
光ったのはアタックだけに限らない。前半24分にデクラークの突破をゴールポストにぶつかりながらも防いだ。後半22分にはロックのマシュー・フィリップがインゴールに雪崩れ込んできたところにスクラムハーフ杉山優平とグラウンディングを阻止。試合後、モウンガは「たまたま自分がその位置にいただけ。他の誰もが同じことをした。自分たちの勢いを取り戻そうとしただけです」と涼しい顔で話した。
(文・写真/杉浦泰介)