第301回 大丈夫か!? 北中米“灼熱”W杯
新装オープンしたFIFAクラブW杯の初代王者にチェルシー(イングランド)が輝いた。
6月14日(現地時間)から7月13日にかけて米国の11都市(12会場)で行なわれた今大会、選手や監督を悩ませたのが猛暑だった。
全7試合に出場し、1ゴール3アシストを記録したチェルシーのエンソ・フェルナンデス(アルゼンチン代表)は、猛暑のイーストラザフォードで行なわれた準決勝のフルミネンセ(ブラジル)戦で目まいに襲われたことを明らかにし、「選手、観客ともに危険な気温だった」と訴えた。
シンシナティでのマメロディ・サンダウンズ(南アフリカ)戦、ボルシア・ドルトムント(ドイツ)の控え選手たちは試合前半、ピッチ脇のベンチではなく、屋内のロッカールームでゲームを見守った。
猛暑だけではない。豪雨や雷も選手たちを苦しめた。
シャーロットでのチェルシー対ベンフィカ(ポルトガル)戦では、終了5分前になって雷雲が接近していることを理由に、約2時間も試合が中断した。
さて、気になるのは、来年6月から米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で行なわれる北中米W杯への影響だ。
1994年米国W杯は、私も現地で取材した。ブラジル対イタリアの決勝はロサンゼルスのローズボウルで行なわれたが“灼熱の決戦”と書いたことを覚えている。
試合は猛暑が災いして、両チームとも将棋の千日手のように決め手を欠いたものとなり、消耗戦の末にブラジルがPK戦で勝利した。
あれから30年がたち、地球温暖化による異常気象は、さらに深刻さを増している。
だが、優勝したチェルシーの選手たちにトロフィーを授与したドナルド・トランプ米国大統領は、「気候変動はいかさま」との主張を変えようとしない。
悪いことは言わない。来年のW杯は開催時期を繰り下げた方がいい。カタール大会を冬にしたように。
<この原稿は『週刊大衆』2025年8月11日号に掲載された原稿です>