“ゆなすみ”森口、「守らずに攻めた柚奈ちゃんのおかげ」 ~第94回全日本フィギュアスケート選手権大会ペアSP~

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 来年2月に開催されるミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪の代表選考会を兼ねた第94回全日本フィギュアスケート選手権大会ペアショートプログラム(SP)が20日、国立代々木競技場第一体育館で行なわれ、“ゆなすみ”こと長岡柚奈/森口澄士組(木下アカデミー)が、国際スケート連盟(ISU)非公認大会ながら、パーソナルベストを上回る72.91点を記録し、2位発進した。

 

 長岡は18日の公式練習で、スロージャンプの際に右膝をリンクに打ちつけるアクシデントに見舞われた。20日朝の練習の段階では、「力が入らなかった」という。

 

 それでもこのペアはアクシデントを乗り越え、パーソナルベストを記録した。

 

 オレンジと黒のを基調とした衣装で「Goodbye Yellow Brick Road」を演じ切った。冒頭のトリプルツイフトリフト、サイドバイサイドの3回転ループを成功させ、流れに乗った。

 

 3つ目のエレメンツ、スロー3回転サルコウ。このペアの特徴の1つは、このスロージャンプの高さだろう。きょうは特に高さが出たため、長岡が空中で軸を緩めて、回転を調整したように見えた。彼女はきょうのスロージャンプについて、こう解説した。

「高くしようと思って高くしているわけではないですが、たくさん練習をするうちに2人の息がピッタリ合う位置が高めになりました。高さに耐えられる練習をしていますが今回、結構高いスローだったかなと思います。それでも綺麗に着氷できたのは成長かな」

 

 森口は長岡をこうたたえた。

「(18日の怪我の影響で)怖さが柚奈ちゃんにあったと思いますが、そこを本番で乗り越えた。信じられないほどの気持ちの強さです。朝の練習では膝に力が入らなかったと言っていた後に、直前の6分間練習でも本番でもしっかり片足で着氷した。守らずに攻めたことは、かけがえのない経験に、柚奈ちゃんのおかげでなりました」

 

 グループ5リバースラッソーリフトの出口では長岡が両足で森口の首を挟む振り付けで、観客を沸かせた。バックワードインサイドデススパイラルが終わると、ふたりは見つめ合い笑顔を浮かべた。この時の心境を聞くと、森口は「あとはステップとスピンやぁ~と思って」と苦笑し、つづけた。

 

「スピンで近づき過ぎてしまいまして……。ちょっとレベル(3)を落としてしまいました」

 

 ゆなすみにとって、収穫の多い全日本SPとなった。ミラノ行きのチケット獲得に向け、視界は良好である。ペアのフリースケーティングは明日21日、同体育館で行なわれる。

 

(文/大木雄貴)

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