「観客の皆さんを、空の旅に連れていく」 金沢純禾のピーターパン

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 第94回全日本フィギュアスケート選手権大会女子フリースケーティング(フリー)が21日、国立代々木競技場第一体育館で行なわれている。ジュニア1年目の13歳・金沢純禾(木下アカデミー)は、一昨日のショートプログラム(SP)で57.09点の19位発進。フリーでは181.67点だった(更新時、大会進行中)。

 

 緑の衣装で「ピーターパン」になり切った金沢。冒頭は3回転ルッツ+3回転トウループを予定していたが、単独の3回転ルッツとなった。これで「焦ってしまった」金沢はトリプルアクセルにトライしたが、ダウングレードとなった。

 

 SPでも3回転のルッツ-トウループが単独になった。本人は相当悔しかったようで、「車の中で泣いた」という。

 

 しかし、13歳のジュニア1年目の彼女にとって、このミスは未来の糧となるはずだ。目の前のジャンプの成功、失敗よりも大切な収穫を得た。金沢の言葉を借りれば、「五輪シーズンの緊張感ある全日本を経験できたこと」だ。13歳は、冷静に続けた。

 

「2030年の五輪には年齢的に出られます。その時はシニア1年目なんですけど、五輪シーズンの全日本の緊張感をいま経験できて、4年後に向けて勉強になることもあると思います。いい経験ができたなぁ、と。

 (4年という時間は)思っているよりあっという間に来てしまう。いま、中井亜美選手がシニア1年目でファイナル2位と、トップまで来ています。4年後は、私がシニア1年目。そして、ノービスだったのは、もう1年前なの!? という感じです。ノービスの4年間も長いようで短かった。その中で勉強できることもありました。悪いことも良いことも全部経験できました。シニア昇格まで、大技を習得しないといけないですし、たくさん課題が出てくると思います」

 

 透明感のある金沢が表現する「ピーターパン」は引き込まれる。このプログラムに込める思いを金沢は、語った。

「みんなで空を飛ぶ感じ。観客の皆さんを、空の旅に連れていくように、自分自身も心から楽しもうと思っているプログラムです。今シーズン、楽しんで滑ることができたので、曲にすごく救われたなと思っています」

 

 既に2030年後を見つめる金沢。経験を重ねても、変わらずにいてほしい部分もある。彼女の持つパーソナリティーや感性は、表現者として必ず武器になるだろう。金沢の演じる「ピーターパン」は、そう感じさせるのだ。13歳にして代名詞となるプログラムがあることを、もっと誇りに思っていい。

 

(文/大木雄貴)

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