千葉百音、「常に追求し続けなければ」 ~全日本選手権銅メダル&ミラノ・コルティナ五輪内定~
来年2月に開催されるミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪の選考会を兼ねた第94回全日本フィギュアスケート選手権大会の女子フリースケーティング(フリー)が21日、国立代々木競技場第一体育館で行なわれた。千葉百音(木下グループ)は、フリーで141.64点(4位)を記録。19日に同体育館で行なわれたショートプログラム(SP)の74.60点(4位)との合計を216.24点とし、銅メダルを胸に飾った。金メダルは坂本花織(シスメックス、合計234.36点)、銀メダルは島田麻央(木下グループ、同228.08点)だった。
今年4月の国別対抗戦後の囲み取材、千葉はジャンプについて多くを語った。フリーの演技でジャンプを失敗したことがあったからだろう。その中、私は「ジャンプ以外の要素や表現面での収穫や課題は?」という旨の質問をした。しかし、千葉は渋い表情を浮かべて「うーん、でもやっぱりジャンプがスコアに……」と口にした。
千葉は五輪シーズンとなる今季、SPでは昨季からの継続で「ラストダンス」を、フリーでは「ロミオとジュリエット」を採用している。グランプリシリーズフィンランド大会(女子フリーは現地時間11月22日)で披露した「ロミオとジュリエット」では、圧巻の表現力を見せ、右手で大きくガッツポーズをつくったのは語り草となっている。
今季の千葉はジャンプのブラッシュアップはもちろんだが、それ以外の要素である表現面、スピンやステップをより一層丁寧に取り組んでいるように見える。SPのラストダンスは会場に一体感が生まれる。ポニーテールをぶんぶんと振り回し、観客とジャッジを虜する場面は“板についてきた”ほどだ。フリーのロミオとジュリエットはストーリー性をも感じさせる出来だ。千葉の演技を通して曲に耳を傾けると、音楽の解像度が上がるように感じるほどだ。
全日本選手権メダリスト会見で、表現面、スピンやステップについて水を向けると千葉はこう答えた。
「1年、また1年とシニアでの歴を重ねるにあたり、全てのカテゴリーにおいて高いレベルのものに磨き上げていかないといけない。ジャンプの精度だけでなくてスケーティングなど、自分がいままで得意としていたところを伸ばす以上に、もっともっと美しく魅せるなど、常に追求し続けなければ成長していけないと思っています。それが、こうしてプログラムの細かさだとか、ちゃんと伝えられるようになってきたのは、すごく良いところだと思っています。緊張したときなど、まだスケーティングに粗があります。どんどん良いスケーティング、さらに高いコンポーネンツを出せるようにと、しっかりと意識しながら上を目指して頑張っていきたいです」
メダリスト会見の後、千葉は正式にミラノ・コルティナ冬季五輪の内定を得た。求道者のようにも映る千葉は、五輪の舞台でどんな演技を見せてくれるのか。
(文/大木雄貴)