INFINITIESの“距離チカ”LIVE ~D.LEAGUE~
日本発のプロダンスリーグ「第一生命D.LEAGUE25-26SEASON」はROUND.3を終えた。ROUND.2とROUND.3が開催される間の11月26日、BLOCK VIBEに属するValuence INFINITIES(バリュエンス インフィニティーズ)が東京・パームス秋葉原で単独ライブ「Valuence INFINITIES ROUNDS LIVE Vol.1」を開催した。
東京で初開催となったデフリンピックが閉幕した日の夜、秋葉原ではD.LEAGUEチームのワンマンライブが催されていた。通常のD.LEAGUEとは違った舞台と距離感で、彼ら彼女らの普段に近い空気感のパフォーマンスに、集まったフィニラー(INFINITIESファンの愛称)を楽しませた。
SEIYA、MAKO、KEINによる「ACE MOVE」は、1人ずつソロパフォーマンスを披露。ヒップホップ、ブレイキン、ハウスとチームの軸であるダンスをそれぞれ得意とする3人が観客の心を掴む。Volごとに、このヘッドライナーを担当する選手は代わるという。この日は音響トラブルもあったが、即興は彼らの得意分野でもある。“仕切り直し”も難なくこなしてみせた。
「MAKE OR BREAK」は1on1バトルで、先攻の行った技を、後攻が成功(MAKE)させた場合はセーフ、後攻が失敗(BREAK)した場合はアウトとなる。先攻・後攻を交互に行いながら、先に3アウトとなった方が負けとなる。TSUKKI vs HIRO10という世界レベルのB-boyによる競演。パワームーブを得意とする2人のバトルは見応え十分だった。
特に印象的だったのが 「MOVE DANCE WOLF」。こちらも1on1のバトルで、各々に設定されたNGムーブを当てるという“NGムーブ人狼ゲーム”だ。先攻後攻に分かれ、観客のリアクションで正解を探る。1st MATCHはRYOGA vs MAiKA、2nd MATCHでは NAOKI vs MASSAが対戦した。RYOGAは「ヒザをつく」、MAiKAは「頭をさわる」、2nd MATCHは両者「ターン」というNGムーブと設定された。
観客の盛り上がりがNGムーブに対するものなのか、スキルに沸いているのかの判断が難しい。本人は気付かずNGムーブを連発する姿を見て、観客のみならず他のメンバーたちも大盛り上がりを見せていた。
「ROUND SHOWCASE」は今季の ROUND.2、23-24シーズンのROUND.3のショーケースを披露。普段のD.LEAGUEのステージより客席が近い。前列の観客は間近にINFINITIESのパフォーマンスを体感できる贅沢なひと時となった。
また日本一のスタジオを決めるD.LEAGUE主催の『SD.LEAGUE』に出場したValuence INFINITIES Youthも登場した。ユースチームと言えど、同大会の東日本予選でブロック1位通過、決勝に進んでいる実力者たちだ。また今季、ユースの1期生がINFINITIESに2人昇格するなど、次世代が育っている印象を与えている。
フィナーレは今季ROUND.1のショーケースを披露して締め括った。今季からディレクターを務めるKATSUYAは「D.LEAGUEのフォーマットだけでは表現し切れない見せたいものがある。ぜひ僕たちの色を見てもらいたい。これからもっといろいろな人を巻き込みたいと思っています」と挨拶した。メンバーからはこんな声も。KEINが「動物園みたいなチーム。リハーサルからこんな感じなのを皆さんに見てもらえて良かったです」と言えば、NAOKIは「普段のバリュエンスの感じも見ていただけたと思う」と話した。
INFINITIESはアンダーグラウンドな匂いを漂わせつつも、皆が全力で遊んでいるような独特のユルさがあり、近寄り難さはあまり感じない。その“距離チカ”な ところがチームの魅力でもあるのだろう。
チームイベント初参加となった今季加入のMAiKAに感想を聞いた。
「お客さんとの距離感もすごく近く、踊るだけではない楽しさを感じられた。すごくハッピーな一日になりました。イベントのテーマにD.LEAGUEのショーケースだけではない顔を見せることもコンセプトにある。ただしゃべっているだけでも、チームのみんなは面白い。今後はあまり構えずにラフに遊んでいるだけのコンテンツもやってみたい」
次回の「ROUNDS LIVE」は12月24日のクリスマスイブ、再びパームス秋葉原で開催される。この日のエンディングには次回予告があり、「夢弦」のバンド再結成が発表された。INFINITIESのメンバーが扮した同バンドは今年4月にワンマンライブを行っている。
「ROUNDS LIVE」については今季複数回を予定しており、今後は東京に限らず、メンバーの出身地などでの開催も見据えている。INFINITIESが掲げる「ホームタウン日本構想」の一環として、日本各地での開催を計画中だからだ。D.LEAGUEは現状、東京(昨季のCYPHER ROUNDは横浜)のみで行われている。ライブを体感できない全国のフィニラーにINFINITIESがグッと近付く機会である。
シーズン中のワンマンライブ開催について、SEIYAは「乗っかったら面白くなりそうだなというイメージがあったので、全力で向き合わせてもらいました」と前向きに捉えている。そして、こう想いを述べた。
「D.LEAGUEのシーズン中にROUNDS LIVEをやるのをおかしいと思っている人もいる。でも、それをやることで自分たちがデカくなっていく夢を描いている。その夢を追いかけているところを楽しく応援してもらえたらうれしいです。まだ出られていないメンバーもいる。最後はデカイ花火を上げようと思っています」
全力で遊ぶ――。ステージ内外で、それを表現するのがINFINITIESのカラーである。
(文・写真/杉浦泰介)

