第314回 35年ラグビーW杯 日本開催へ追い風
日本ラグビー協会は、1月14日の理事会後に記者会見し、2035年W杯の開催地に立候補したことを表明した。
土田雅人会長は語った。
「4年に1度の世界的祭典であるラグビーW杯は、協会だけの思いで開催できるイベントではない。オールジャパン体制で臨む。日本にとっても世界にとっても最高のW杯を実現したい」
今後のプロセスは、27年5月に優先候補国が絞り込まれ、同年11月に、統括団体であるワールドラグビー(WR)評議会の投票で決定する。
日本以外の候補国としてはスペイン、イタリア、中東諸国(カタール、UAE、サウジアラビア)に加え、共同開催を模索する英国とアイルランドの名も挙がっている。
協会幹部に聞くと、日本はかなり有力らしい。アジアで初開催となった19年大会では、IRB(WRの前身)に放映権、スポンサー権、ライセンス権、マーチャンダイズ権など主たる収入源をおさえられながら、チケット完売率が99%を超えたことから、組織委員会は68億円の黒字を計上した。
これにはWRの幹部も心底驚いたようで、組織委員会副会長の森喜朗元首相に「今までの対応は謝る。日本にこれだけの力があるとは……。日本人のラグビーに対する愛情や前向きな姿勢を、私は見誤っていた。どうか、もう1回やってもらいたい」と語るなど、態度を一変させたという。
かつての統括団体であるIRBを、森氏は呆れたような表情で、こう評していた。
「幹部の大半が英国の上流階級出身で英国至上主義。とにかく特権意識が強い。小国は歯牙にもかけないとばかりに、我々の発言にいちいち難癖をつけてくる。しかもラグビーの強豪国というのは英国とその植民地だった地域がほとんど。いまだに旧植民地時代の隷属関係がそのまま残っていることに驚く」
ところが、ここにきてWRの姿勢には変化が出始めている。ビジネスとしてのラグビーの将来を見据え、いわゆる伝統国ではなく、高い収益力が見込める新興国への興味が増しているというのだ。その新興国のひとつが日本である。
現WR会長のブレット・ロビンソン氏が南半球初(オーストラリア出身)の会長になれたのは、会長選における日本の3票が効いたからだと言われている。
昨年2月、ロビンソン氏の会長就任後初の訪問国も日本だった。会見ではパートナー企業のアサヒビールや大正製薬の名をあげるなど、トップセールスマンぶりを発揮していた。日本の再招致を後押ししてくれるのか。
<この原稿は『週刊漫画ゴラク』2026年2月20日号に掲載されました>