神戸・中田監督を解任
神戸9クルーズは29日、中田良弘監督の解任を発表した。当面は村上真一コーチ(元オリックス)が指揮を執る予定。解任理由は、地域貢献活動に力を入れたい球団の方針と、練習時間の確保を求めた中田監督の考えが対立したため。神戸は前期シーズン、優勝した大阪と1ゲーム差の2位に入り、後期はここまで1勝3敗の最下位だった。
地域密着か、選手育成か――。独立リーグが抱える難問のひとつが表れた解任劇と言えるだろう。周知の通り、関西独立リーグでは5月にリーグ運営会社が撤退。あてにしていた分配金が入らず、各球団は苦しい経営を強いられている。球団スタッフは各方面から支援を募るべく東奔西走の日々だ。スポンサー獲得において選手たちはとっておきの営業マン。地域密着の観点からも地元の企業や市民と積極的に関わることは彼らの仕事のひとつだ。
ただ、同時に選手たちの本業はあくまでも野球である。どんなにスポンサーが集まり、ファンが増えたとしても肝心の野球のレベルが上がらなければ、球団を支えようという機運は長続きしない。NPBのドラフト指名を受ける逸材を輩出することもリーグをアピールする有効な手段である。この点で、練習優先を主張した現場の意見は完全否定できない。
残念なのは、他の独立リーグ球団において地域貢献活動と練習をうまく両立しているケースを参考にできなかったことだ。全員一斉の活動は無理でも、一部の選手が練習を早めに切り上げ、イベント、野球教室に参加している例はどこにでもある。それは野球のみならず、サッカーのJクラブや他のスポーツでも同様だ。この時期での監督解任は球団運営の面でも、選手育成の面でも決してプラスにならない。もう少し早い段階で両者が歩み寄る機会はなかったのか。
冒頭の問いに対する答えはひとつだ。「地域密着、選手育成、どちらも等しく重要」。二者択一の議論ではなく、両者を車の両輪と捉える“二者両立”の観点を共通認識としてもっていれば、今回の騒動は未然に防げたかもしれない。
>>神戸・中田良弘のコラム「投げすぎ注意!」はこちら[/b](「野球の花道」コーナーより、2009年6月更新)
(石田洋之)
地域密着か、選手育成か――。独立リーグが抱える難問のひとつが表れた解任劇と言えるだろう。周知の通り、関西独立リーグでは5月にリーグ運営会社が撤退。あてにしていた分配金が入らず、各球団は苦しい経営を強いられている。球団スタッフは各方面から支援を募るべく東奔西走の日々だ。スポンサー獲得において選手たちはとっておきの営業マン。地域密着の観点からも地元の企業や市民と積極的に関わることは彼らの仕事のひとつだ。
ただ、同時に選手たちの本業はあくまでも野球である。どんなにスポンサーが集まり、ファンが増えたとしても肝心の野球のレベルが上がらなければ、球団を支えようという機運は長続きしない。NPBのドラフト指名を受ける逸材を輩出することもリーグをアピールする有効な手段である。この点で、練習優先を主張した現場の意見は完全否定できない。
残念なのは、他の独立リーグ球団において地域貢献活動と練習をうまく両立しているケースを参考にできなかったことだ。全員一斉の活動は無理でも、一部の選手が練習を早めに切り上げ、イベント、野球教室に参加している例はどこにでもある。それは野球のみならず、サッカーのJクラブや他のスポーツでも同様だ。この時期での監督解任は球団運営の面でも、選手育成の面でも決してプラスにならない。もう少し早い段階で両者が歩み寄る機会はなかったのか。
冒頭の問いに対する答えはひとつだ。「地域密着、選手育成、どちらも等しく重要」。二者択一の議論ではなく、両者を車の両輪と捉える“二者両立”の観点を共通認識としてもっていれば、今回の騒動は未然に防げたかもしれない。
>>神戸・中田良弘のコラム「投げすぎ注意!」はこちら[/b](「野球の花道」コーナーより、2009年6月更新)
(石田洋之)