3年連続の都市対抗4強逃すも大いなる伸びしろ
ENEOS(横浜市)の優勝で幕を閉じた今年の都市対抗野球、私たちセガサミーは、準々決勝で同じ東京都代表のNTT東日本に、5対8で敗れました。目標としていた3年連続のベスト4には、あと一歩のところで届きませんでしたが、選手たちはよく戦ってくれました。応援していただいた皆さまに感謝をしつつ、今大会の戦いを振り返ってみたいと思います。
“代役”4番が活躍
7月20日(水)1回戦 セガサミー3-2Honda鈴鹿
初戦の相手は2年ぶりに本大会に出場したHonda鈴鹿でした。前回のコラムでも書いたように、初戦はどこのチームも一筋縄では行きません。実際、今大会で優勝候補の一角と目されていた東芝(川崎市)は1回戦で姿を消しました。
その中で、セガサミーはエースの草海光貴が、若手中心で勢いのある相手打線をきっちり6回2失点に抑えてくれました。打線も3得点でしたが、根岸晃太郎の代役で4番に座った高本康平がタイムリーを含む2安打を放つなど、いい仕事をしてくれました。
何はともあれ、都市対抗は“一発勝負”のトーナメントですから、勝ち切ることに意味があります。その点、過去2大会連続ベスト4のプレッシャーや、コンディション面での不安を抱えながらも勝ち切れたことは、2回戦以降につながったのではないかと思います。
7月24日(日)2回戦 セガサミー6-2日本通運
2回戦は、法政大の後輩・澤村幸明監督率いる日本通運(さいたま市)でした。初回、好投手の前田敬太投手に対し、3連打で3点を先取できたのが、やはり大きかったですね。この日、“代役”4番だった平田巧が2死の場面で、よく先制打を放ってくれました。
さらに、2回表には草海の牽制がボークと判定される場面がありました。遅延行為を防ぐ「20秒ルール」に反したようですが、突然のタイムは故障にもつながりかねません。もちろん審判の判断に従いましたが、選手を守る意味でも、ベンチを出て直接話をしました。
ただ、そのような“アクシデント”がありながらも、草海はしっかり粘ってくれましたね。最後は、先発が本職の舘和弥が締めました。抑えの石垣永悟がコンディション不良だったため、後ろに回ってもらいましたが、一人の走者も出さず反撃を断ち切ってくれました。
勝負どころで被弾
7月27日(水)準々決勝 セガサミー5-8NTT東日本
そして迎えた準々決勝、前回大会でセガサミーと同じくベスト4に進出したNTT東日本と対戦しました。1対5と4点リードされて迎えた3回裏、黒川貴章のヒットと4番に復帰した根岸の犠牲フライで1点差。続く北川智也の2ランで、試合を振り出しに戻しました。
同点に追いついてからが勝負だったのですが、5回表に3番手の森井絃斗がボークの後、向山基生選手に勝ち越しホームランを浴びてしまいました。向山選手と、3回表に満塁ホームランを打った中村迅選手はともに法政の後輩。この2人だけで6打点を奪われました。
被弾したボールはいずれも高めの半速球、最もホームランを打たれやすいボールです。まして、今大会は過去15年間で最も多い、49本のホームランが出た大会でしたからね。やはり困ったときは、きっちり低めにコントロールして投げるというのが肝要になってきます。
もちろん収穫もたくさんありましたよ。二本柱の草海と舘は、非常に良く投げてくれましたし、他のリリーフ陣も全てがイメージ通りとは行きませんでしたけど、古屋敷匠眞や長島光希といった若い投手も東京ドームの舞台で投げて、きっと何かを掴んでくれたはずです。
打線はチーム打率3割3分3厘の高打率を残しました。先に書いたように打つべき人も打ちました。それでも、投打ともにセガサミーにはまだまだ伸びしろがあります。良いチームにはなったけど、まだ勝ち切れるチームではない。良い課題をもらえたと感じています。
最後に、試合後の監督インタビューでもお話しましたけど、セガサミーの応援団は本当に社会人ナンバーワンですね。実際、対戦するどこのチームからも、そう言われます。ただ、応援だけがナンバーワンじゃいけませんね……。必ず、野球でも日本一を目指しますよ!
それでは今回のコラムはこのへんで!次なる目標に向け、8月のオープン戦から再び選手たちとともに戦っていきたいと思います。都市対抗の応援、本当にありがとうございました!
<このコーナーは毎月1日更新です>