第89回「屋上」 〜「愛媛フットサルパーク松山三越」のオープン〜

(写真:人工芝の感触を楽しむ愛媛FCのオ〜レ君)
8階建てデパートの屋上ということもあり、周囲に遮へい物はない。見渡す限り青空で、繁華街の中心とは思えない程のとても清々しい環境なのである。
オープニングイベントには、松山市市長の中村時広さんや「日本サッカー界のご意見番」として著名なセルジオ越後さん、「Jリーグお天気キャスター」でもお馴染みのタレントの秦礼子さんなどがゲストとして招かれ、盛大な式典となった。

子供たちもピッチの上で、楽しそうにボールを蹴っていた。知らない者同士が、交流を深める場面も見受けられ、微笑ましく感じた。
続いて、エキシビジョンマッチとして地元フットサルチームの「青山」対「FC.RAKU-S」(ラクエス愛媛フッサルクラブ)の一戦が行われた。互いに得点を狙って激しく動き回る、スピーディーな試合展開。合間に繰り出されるフットサルらしいテクニカルな足技には、感心しきりだった。
個人的には、「愛媛のジダン」と呼ばれ、四国リーグ、JFL時代に愛媛FCを支えてくれた元愛媛FC選手の黒田一則さんが、この試合に出場していたので注目していたのだが、彼の本気のプレーを久し振りに拝むことができて、嬉しく感じた。

この度、黒田さんは愛媛フットサルパークのテクニカルアドバイザーに就任された。同パークにてフットサル教室を開催しているので、この機会に彼のテクニックを盗んだり、果敢に挑戦してみるのもいいかもしれない。
また、愛媛フットサルパーク松山三越では「一般の方の利用が少ない平日の午前と午後の早い時間帯に幼稚園や保育園等の園児の皆さんに無料で使ってもらおう」という新たな取り組みも開始したのである。
現況、県内の幼稚園や保育園では、土の園庭がほとんど。転んで擦り傷や切り傷をつくったり、軽いとはいっても、園児のケガが絶えない状況にあるようだ。また、各施設に付随しているグラウンドも面積的に小さなものが多い。運動する環境の確保には、頭を悩ましている関係者の方も少なくないらしい。

Jリーグの理念にも通じるが、芝の上で走ったり、ボールを蹴ったりできるような、子供たちがサッカーをはじめとするスポーツに興味を持ってくれるような環境を整備し、提供することは、我々大人の義務だとも思える。そして、そんな取り組みが郷土において始まろうとしているのは、自分の事のように嬉しく思える。
「フットサル場はカラオケボックスのようなもの――」とセルジオ越後さんが、式典の挨拶で述べられていたのが印象的だった。この愛媛フットサルパーク松山三越のオープンは、老若男女が気軽に集い、楽しみ、友達をつくることができる、都市空間における「新たなスポーツコミュニティ施設の誕生」と言えるのかもしれない。
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1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。