プロ野球の日本シリーズが、22日に開幕する。ともにリーグ連覇を果たしたセ・リーグの東京ヤクルトと、パ・リーグのオリックスによる対戦は2年連続の顔合わせ。東京五輪の影響で異例の11月末開催となった昨季は、4勝2敗でヤクルトに軍配が上がった。打力が自慢のヤクルトVS投手力が光るオリックス。シーズンの掉尾を飾るシリーズを占う。

 

 クライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージでリーグ3位の阪神をスイープしたヤクルト。レギュラーシーズンでリーグトップの174本塁打を放った重量打線が強みだ。令和初の三冠王に輝いた村上宗隆は言わずもがな、CSでMVPに輝いたホセ・オスナら脇を固める打者にも一発がある。序盤に先制点を奪い、主導権を握りたい。

 

 一方のオリックスは、投手陣に穴がない。2年連続投手4冠(勝利数、防御率、奪三振数、勝率)を手にした絶対的エース山本由伸で第1戦を取れれば、2戦目以降の先発が見込まれる宮城大弥と田嶋大樹の両左腕も波に乗れる。加えて、CSで1勝1セーブを挙げた阿部翔太を筆頭にブルペンも充実しており、ロースコアとなればオリックスに分がありそうだ。

 

 6月の交流戦では2勝1敗でヤクルトが勝ち越したが、オリックスは主砲の吉田正尚を故障で欠いていた。さらに、シーズン中は不振に喘いでいた杉本裕太郎が、CS4試合で打率3割8分5厘、1本塁打、5打点と“復活”。6月よりも打線は厚みを増している。これらを踏まえても、実力が拮抗している両軍。長所を発揮し、頂点を掴むのはどちらか。決戦は秋宵の神宮で幕を開ける。

 

(文/古澤航)