プロ野球の日本シリーズは23日、神宮球場で第2戦が行われ、東京ヤクルトとオリックスが互いに譲らず3対3で引き分けた。オリックスはピッチャー山﨑福也の先制タイムリーなどで3点をリードしたものの、9回裏にヤクルトの代打・内山壮真の同点3ランホームランが飛び出して同点に追いつかれた。その後は両軍ともにチャンスを作るも、得点を奪えなかった。第3戦は移動日をはさみ、25日に京セラドーム大阪で行われる。

 

◇日本シリーズ第2戦

 ホセ・オスナ、2試合連続3安打(ヤクルト1勝1分 神宮)

オリックスバファローズ

3=002|010|000|000

3=000|000|003|000

東京ヤクルトスワローズ

本塁打 (ヤ)内山壮3ラン

 

 高卒2年目の20歳が、一打席でオリックスのシリーズ初白星を消し去った。相手先発の山﨑福に4回を無得点に抑えられていたヤクルトは、5回以降もオリックスが誇る鉄壁リリーフ陣を攻めあぐねた。3点はおろか1点も遠い、嫌なムードが神宮球場を包んでいた。

 

 そのまま試合は9回裏を迎えた。オリックスのマウンドには5番手の阿部翔太。リリーフ陣の中でも、ここ一番を任されてきた投手である。その阿部からヤクルトはヒットと四球で無死1、2塁のチャンスをつくった。そこで高津監督は内山壮真を代打に送った。

 

 日本シリーズ初出場初打席である。ただ、マウンド上の阿部を見据える内山のまなざしに迷いはなかった。カウント2-2からの6球目、高めの直球をフルスイングすると、打球はレフトスタンド最前列に消えた。同点3ランホームラン。3対3。

 

 その後、スコアは動かなかった。起用された投手は両軍8人ずつ。互いの選手層の厚さが勝ち越しを許さなかった。第3戦の舞台は京セラドーム大阪に移る。前夜はオリックスのエース山本由伸の緊急降板、そして、この日は劇的な同点弾。このシリーズ、一筋縄では行きそうにない。

 

(文/古澤航)