10月16日(日)、愛媛FCレディースが参戦する「2022プレナスなでしこリーグ1部」の全日程が終了した。

 

 愛媛FCレディースの最終戦績は「2勝13敗7引き分け(勝ち点13)」で、12チーム中「11位」という厳しいものであった。今季、リーグ戦で勝利出来たのは、開幕戦(3月19日)と第5節(4月16日)の、僅か2試合のみ。シーズン当初の状況からは思いも寄らない悪夢のような展開となってしまった。チームと共に私達サポーターにも厳しい現実を突きつけられたかのような感覚である。

 

 現在、リーグ戦の上位チームはWEリーグ(女子サッカープロリーグ)加盟を目指し、チーム強化に取り組んでいるクラブが多く、選手個々の能力等、力の差も感じられるのだが、中盤に位置するチームとは当初、対等に渡り合えるものだと信じていたので、今季の成績には、どうしても不満や疑問を抱いてしまう。

 

 シーズン途中、攻撃陣の一角に怪我人が出る等のアクシデントもあり、出場選手の遣り繰りが難しくなってしまったことも、今回の成績不振に繋がるとは思うのだが、今思えば、そこをカバー出来る方法もあったのではないかと悔やまれる。

 

 そんな厳しい状況下に於いても、シーズン終盤戦では「セレッソ大阪堺レディース」や「伊賀FCくノ一三重」等の(リーグ戦)上位チームを相手に粘り強く戦い、引き分けに持ち込む等、素晴らしい戦い振りで意地も見せてくれていた愛媛FCレディース。課題のシュート数(1試合に於ける総数)も増えつつあったが、試合毎に、ばらつきもあり根本的な改善には至っていなかったように感じられる。

 

 今季のホームゲーム最終戦の試合終了後には、敗戦の悔しさから涙を流していた選手達も見受けられ、苦しみやストレスを抱えながら、リーグ戦に臨んでいたことが何となく伝わってきた。

 

 また、コロナ禍により、私達サポーターの応援活動も制限を受け、充分なパフォーマンスを発揮することが叶わず、残念に思っている。現在Jリーグでは条件付きで「声出し応援」出来るようになってきてはいるが、なでしこリーグでは最終戦まで「声出し応援」を許されることはなかった。そのため、選手個々にエールを送り勇気づけたり、良いプレーをした選手をコールで称えることも満足に出来ず、とても心残りである。

 

 冒頭でもお伝えした通り、愛媛FCレディースのリーグ戦に於いての年間順位は(12チーム中)「11位」という結果であった。本来であれば、なでしこリーグ2部の年間順位「2位」のチームと1部・2部入れ替え戦を行わなければならない状況(順位)である。(ルール上、入れ替え戦に勝てば、なでしこリーグ1部に残留。負ければ、なでしこリーグ2部へと降格となる。)

 

 しかしながら、今シーズン終了後「セレッソ大阪堺レディース」の(2023-2024シーズンからの)WEリーグへの参入が決定し、また「アンジュヴィオレ広島」がチーム解散を発表したことにより両チームが、なでしこリーグ1部を退会することになった。

 

 上記2チームが退会することにより、なでしこリーグ1部の参戦チームが12チームから10チームへと減ってしまうため、今季での1部・2部入れ替え戦は行わず、(なでしこリーグ1部の12チーム編成を維持するため)なでしこリーグ2部から2チームを自動昇格させることになったのである。

 

 愛媛FCレディースにとっては、危ない橋を渡ることなく1部残留が決定した訳だが、正直、喜べるような状況ではなく、チームにとっては不本意な形での残留となった。

 

 現在のチーム力や今季の結果に対し不満ばかりを語ってはいるが、仕事や学業に取り組みながらサッカーを頑張っている選手達に対し、良い環境を提供出来ていない我々にも責任があると感じている。また、抜本的な改革を図る等、クラブ側も何かを変えていかなければ、来シーズンも降格を心配しつつ、戦々恐々としながら戦わなくてはならない状況が

続いてしまうのではないだろうか。

 

 とは言え、落ち込み悩んでいる暇はなく、11月27日(日)からは「皇后杯JFA 第44回 全日本女子サッカー選手権大会(1回戦)」がスタートする。2022シーズンを締めくくる意味でも、リーグ戦の悔しさを、この大会へと全力で、ぶつけてもらいたい。

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


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