グループの枠を越え、愛媛FCサポーター達が集う「愛媛ゴール裏net(サポーターズクラブの協議会)」。私達「愛媛FCサポーターズクラブ・ラランジャ トルシーダ」も参加している、この「愛媛ゴール裏net」では、今年も8回に渡り、愛媛県内各所にて、清掃(ホームタウンクリーン活動)等の奉仕活動に励んできた。

 

 10月30日(日)には、愛媛FCスポンサーである城東開発株式会社様が主催された「海洋ゴミ清掃活動」へ参加させて頂いた。城東開発株式会社様は本業の傍ら、未来に向けて海洋ゴミをゼロにしていくプロジェクトにも積極的に取り組んでおられる企業であり、今年も数回に渡り、愛媛県内の海岸にて清掃活動を企画し実施されている。

<写真:今回の清掃場所となった梅津寺海岸>

 

 この日は、梅津寺(松山市梅津寺町)の海岸にてゴミ拾いを行うことになった。梅津寺と言えば愛媛FCの練習場であり、アカデミーの公式戦会場でもある「愛フィールド梅津寺」がある場所。愛媛FCや私達サポーターも日頃から御世話になっている地区なので、恩返しの気持ちを込めて、美しい環境へと整えたい。ということで、今回は主催者とサポーターだけでなく、愛媛FC事務局スタッフや愛媛FCトップチームの選手数名とアカデミーの選手達も参加し、60名を超える大人数にてゴミ拾い活動へと取り組んだ。

 

 まず手始めに、海水浴場となっている砂浜での清掃に取り掛かった。一見すると美しい浜辺だが、しゃがんで目を凝らして見てみると、街中でのゴミ拾いと同様に、大量のタバコの吸い殻を発見。その脇には手持ち花火やロケット花火の残りかすも捨てられていた。更には、ペットボトルやレジ袋、食品用トレイや包装フィルム、ポリバケツの破片や発泡スチロールが細かく砕かれたもの等が散乱していることにも気付く。片手で拾い上げられるものならば、まだ良いのだが、細かくなり過ぎて砂に埋もれているものもある。そういったゴミは両手で掬い上げたとしても、砂との分別に手こずることになり、持参した清掃用具だけでは回収困難であった。


 これらのゴミは最近の報道等でよく耳にする「マイクロプラスチック」の元になるものであると考えられる。自然分解しないポリエチレンやポリプロピレン等を原料とする製品が細かく粒状になり、海洋生物に影響を与え、地球環境や人体にも影響を及ぼすという海洋ゴミの中でも一番問題視されているゴミである。私だけでなく、サポーター仲間も回収に手こずっていたので、問題視されている理由も何となく理解することが出来た。
 

<写真:砂浜でゴミ拾いをするサポーター仲間>

 砂浜での作業後、消波ブロックが積み上げられている堤防へと移動。ブロックの隙間に挟まっているゴミを取り除いていった。やはり多いのは、発泡スチロール製の箱や、その破片。また、漁業用のフロート・ブイも多く見つかる。そんな中、アカデミーの選手達は大物を引き上げていた。なんと電気炊飯器! 更にはテレビやトラックのタイヤ、大きな流木等々、驚きの連続である。トップチームの選手達も引き上げられた大物ゴミを見て
驚嘆の声を上げていた。

 

 おそらくは不法投棄されたものであると思われるが、狭くて足場の悪い場所から、重量物を引き上げる若手選手達のパワーには感心してしまった。

 

 朝の9時から作業を始め、およそ90分間の作業だったが、皆で力を合わせて約6立方メートルにも及ぶ大量の海洋ゴミを回収することが出来た。最後に城東開発株式会社様のトラックへとゴミを積み込み作業が終了。トラックの荷台が満杯になる程のゴミの量であった。
 
 この日、馴染み深い地元の浜辺で清掃作業を進める中、海洋ゴミと間近で接し、改めて「マイクロプラスチック」等の環境問題をリアルに体感し、深く考える良い機会となった。もし、地元産の魚や海産物にマイクロプラスチックが含まれていて、日々、その魚介類を食していたらと考えると恐ろしく思えて来る。過去、様々な場所で清掃活動を行ってきた「愛媛ゴール裏net」としても新たな取り組みとなった今回の活動。昔から海産物との関りが深い愛媛の方々に海洋ゴミ問題を広く知ってもらうためにも継続していきたい取り組みである。

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


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