27日、ラグビーの関東大学リーグ戦1部が各地で行われた。東京・江戸川陸上競技場の昨季2部2位の東洋大学が同優勝の立正大学を34-21で破った。これで東洋大は5勝2敗、勝ち点22として3位をキープ。同大初となる全国大学選手権出場権を手にした。関東リーグ1部からの大学選手権出場は、東洋大に加え、リーグ戦5連覇を達成した東海大学(6勝1敗、勝ち点31)、2位の流通経済大学(5勝2敗、同25)となった。

 

 開幕戦でリーグ王者・東海大を破った実力はフロックではなかった。立正大との大学選手権をかけた戦いでも、セットプレーの強さを存分に発揮した。

 

 試合前の時点で東洋大は勝ち点18で3位。関東リーグ1部からの大学選手権出場枠は3校である。勝つか引き分けるかで3位以上が確定するものの、4位・日本大学、この日対戦する5位・立正大との勝ち点差は3しかない。負ければ4位以下に陥落するという状況だった。

 

 前半10分にトライを許すなど、7点を先制された東洋大だがラインアウトからのモールで得点を重ねていく。警戒される211cmの超大型LOジュアン・ウーストハイゼン(1年)にあえて放らず、No.8梅村柊羽(うめむら・しゅう=4年)やLO齋藤良明慈縁(さいとう・らみんじえん=4年)にキャッチさせ、チャンスをつくった。

 

 13分にラインアウトからのモールで前進し、SH神田悠作(4年)がトライ。WTB杉本海斗(3年)のコンバージョンキックも決まり、追いついた。27分もラインアウトから。最後はHO谷名樹(たにな・たつき=4年)が抜け出し、インゴール左に飛び込んだ。杉本がコンバージョンキックを決め、14-7とリードを奪う。

 

 32分とロスタイム(40+2分)にもラインアウトからチャンスをつくり、FLタニエラ・ヴェア(3年)のトライに繋げた。SO土橋郁矢(4年)のエリアマネジメントも冴え、前半は26-7と19点差を付けて終えた。

 

 東洋大は後半も優位に運ぶ。土橋のロングキックを相手が捕球できずノックオン。マイボールスクラムで圧力をかけ、反則を誘う。ここでショットを選択し、22点差をつけて3トライ3ゴールでも届かぬ差に広げようとした。このPGを杉本が確実に決めてみせる。

 

 さらに9分にはラインアウトからのモールで谷名がこの日2本目のトライを挙げた。34-7と、この最大となる27点差に広げた。ここから2トライ2ゴールを返されたが、34-21で逃げ切った。

 

 福永昇三監督は「選手を評価したいし、していただきたい。彼らを称賛したい」と総括した。
「素晴らしいたち子だと実感していました。心に負担があったと思うが、ゲームでいい表現をしてくれた。本当にカッコ良い」

 

 大学選手権は12月11日に東京・秩父宮ラグビー場で関東大学対抗戦Aグループ3位と対戦する。「歴史も伝統も実力もある皆さんと対戦できる。ワクワクしている」と福永監督。杉本が「まだゴールじゃなくてこれがスタート」と言えば、キャプテンの齋藤も「今年のチームの目標は日本一。このチームにはその力があると思います。既に“パラダイス”ですけど、もっと“パラダイス”に」と今季のスローガンを交えて意気込んだ。

 

(文・写真/杉浦泰介)