Jリーグの前哨戦とも言われる富士フイルム・スーパーカップが11日、国立競技場で行われ、横浜F・マリノス(J1王者)がヴァンフォーレ甲府(天皇杯王者)を2対1でくだした。試合は横浜FMが前半30分、FWエウベルの得点で先制した。前半終了間際に甲府のFWピーター・ウタカに決められ、一時同点に追いつかれたが後半16分にMF西村拓真のゴールで横浜FMが勝ち越した。

 

 横浜FM、見事なポゼッションを披露(国立)

横浜F・マリノス 2-1 ヴァンフォーレ甲府

【得点】

[横] エウベル(30分)、西村拓真(61分)

[甲] ピーター・ウタカ(44分)

 

 新シーズンの到来を告げる富士フイルム・スーパーカップ。序盤こそ甲府が優位に立ったが、10分以降は横浜FMが見事なポジショナルプレーを展開した。

 

 横浜FMは最終ラインとGKが、甲府のプレスを回避した。左サイドバックの永戸勝也が中盤に位置取り甲府を見事、混乱させた。

 

 均衡が破れたのは30分だった。横浜FMは最終ラインとGKでボールをつなぎ様子を伺う。見事に縦をつき、ボランチの2枚が連続でボールを前進させた。ペナルティーエリア右に流れたFWアンデルソン・ロペスが右に流れ、ボールを受けるとダイレクトでエリア内中央へラストパス。左サイドバックの永戸が中央で潰れると、最後はファーサイドからつめてきたエウベルが流し込み、横浜FMが先制した。

 

 しかし、甲府も意地を見せた。ピッチ中央でDFエドゥアルド マンシャがパスカットするとそのままドリブルで持ち上がり、右サイドにスルーパス。これをオフサイドポジションにいたウタカがスルーすると、MF鳥海芳樹が相手DFラインの裏でボールを受ける。鳥海がGKを引き付けて中央に折り返すと最後はウタカが押し込み、一時同点においついた。ウタカの最初のポジションがVAR、ビデオ判定の対象となったが、横浜FMのDF陣に影響を与えたようには映っておらず、得点が認められた。主審は見事な判断だった。

 

 センターバックから見事なパスで崩された横浜FMだったが、似たような展開で反撃をした。最終ラインでセンターバックの角田涼太朗がボールを持つと、相手右サイドハーフの鳥海がプレスを掛けにきた。これを角田は果敢にドリブルで引きはがし、スルスルと前に上がり、左サイド前方にパスを送る。アンデルソン・ロペスが抜け出し、左足を振り抜くとシュートは左ポストを叩いた。このこぼれに西村が左足インサイドで合わせて、勝ち越した。

 

 スコアはこのまま動かず2対1で横浜FMに軍配があがった。横浜FMは過去、6度スーパーカップを戦い、初めての“リーグ前哨戦”制覇となった。

 

(文/大木雄貴)