(写真:4・29LANDMARK大会、自身6年ぶりとなるケージファイトで牛久<左>と闘う朝倉未来)

 いよいよ『RIZIN』の2023年闘いの幕が開く。

 今春に怒涛の3大会が開催される。

 

▶『RIZIN.41』/4月1日(土)、丸善インテックアリーナ大阪<メインカード・皇冶(TEAM ONE)vs.芦澤竜誠(Battle-Box)>

▶『RIZIN LANDMARK 5』/4月29日(祝)、東京・代々木第1体育館<Wメイン・朝倉未来(トライフォース赤坂)vs.牛久絢太郎(K-Clann)、平本蓮(剛毅會)vs.斎藤裕(パラエストラ小岩)>

▶『RIZIN.42』/5月6日(土)、東京・有明アリーナ<Wメイン・朝倉海(トライフォース赤坂)vs.元谷友貴(フリー)、井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)vs.フアン・アーチュレッタ(米国)>

 

 熱い闘いが続きそうだが、3大会を通してタイトルマッチが組まれていない。

 フェザー級王者のクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)は参戦せず。ライト級王者のホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)は『RIZIN.42』に参戦するが、スパイク・カーライル(米国)とノンタイトルで闘うことになる。

 それでも今後、タイトル戦線につながる試合が目白押しだ。

 

 4・29『RIZIN LANDMARK 6』のWメインとなる2試合には、フェザー級の前王者と元王者が登場する。前王者の牛久に朝倉未来が、元王者・斎藤に平本蓮が挑む。

 ともに初対決で勝敗予想が難しいスリリングなカード。

「これまでで一番練習している。強くなっている実感もある。2ラウンド以内に倒す!」

 記者会見でそう話した朝倉未来は約1年半ぶりのMMA復帰戦。DEEP王者の牛久相手に健在ぶりを示せるか? 現在の朝倉未来の実力が試される。

 

(写真:いつもは対戦相手とトラッシュトークを繰り広げる平本蓮<右>だが、斎藤に対してはリスペクトの姿勢)

「自分が勝つイメージしかない。リスペクトを込めて斎藤選手をぶっ倒す」

 平本蓮は、強気にそう話した。昨年11月、名古屋での『RIZIN LANDMARK 4』で前DEEP王者の弥益ドミネーター聡志(team SOS)に完勝した彼の強さは本物なのか? 平本蓮の真価が問われる闘いとなろう。

 そして両試合の勝者は、クレベルが保持するフェザー級王座への挑戦に近づくことになろう。

 

 注目は朝倉海vs.元谷

 

 また、5・6『RIZIN.42』でのバンタム級2試合は、RIZIN王座挑戦者決定戦だ。

 フライ級に転向した堀口恭司(ATT)が返上したベルトを、朝倉海、元谷、井上、アーチュレッタの4選手で争うこととなり、ここでの勝者同士が7月下旬に首都圏の大会場で第6代王座をかけ対峙する。

 

「もう体調は問題ない。怪我をしていた期間に支えてくれた皆さんに、恩返しできるような最高の闘いをする。やっぱりRIZINには朝倉兄弟が必要だって思ってもらえるように頑張ります!」(朝倉海)

「5連勝して、やっといい相手と闘える。凄く厳しい闘いになるとは思いますが、しっかりKOか一本で勝利します!」(元谷)

 

「ベラトールのチャンピオンクラスの選手と試合ができることに感謝しています。滅多にないチャンス、しっかり勝って次につなげていきたい」(井上)

「バンタム級が盛り上がる試合をしてイノウエに勝ち、(7月の王座決定戦では)アサクラと闘うことになるだろう。チャンピオンになりRIZINの顔としてやっていくことを楽しみにしている」(アーチュレッタ)

 

(写真:RIZIN.42は既に10カードを発表。山本アーセンも久々に参戦し、美優<手前右端>との親子で出場)

 両試合ともに実力拮抗、激しい削り合いが予想される。特に朝倉海vs.元谷は面白そうだ。朝倉海が打撃で押し切る可能性が高いと見るが、元谷がグラウンドに引き込むことができればRIZINのリングの彩が大きく変わることになるかもしれない。

 

 なお、『RIZIN.42』では山本美憂(KRAZY BEE)のファイナルマッチ(対戦相手は伊澤星花=フリー)を行うなど他にも好カードが揃った。ゴールデンウィークのRIZINは必見である。

 

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶3月12日(日)、東京・代々木第1体育館/「K-1 WORLD GP 2023 JAPAN ~K’FESTA.6~」スーパーライト級タイトルマッチ、大和哲也vs.林健太ほか

▶3月19日(日)、東京・後楽園ホール/「プロ修斗公式戦2023 Vol.2」フェザー級タイトルマッチ、SASUKEvs.飯田健夫ほか

▶3月25日(土)、東京・後楽園ホール/「Krush.147」フェザー級タイトルマッチ、玖村修平vs.森坂陸ほか

▶3月25日(土)、東京・竹芝ニューピアホール/「DEEP TOKYO IMPACT 2023 1ST&2ND ROUND」 DJ.taiki vs.鹿志村仁之介ほか

▶3月26日(日)、/東京・竹芝ニューピアホール「PANCRASE 331 & 332」藤野恵実vs.エジナ・トラキナスほ

▶3月26日(日)、東京・有明アリーナ/「RISE ELDORADO 2023」バンタム級王座決定戦、志朗vs.ディーゼルレック・ウォーワンチャイほか

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)


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