(写真:5・6有明のリングで激突するブアカーオ<左>と安保瑠輝也 ⓒRIZIN FF)

「K-1を辞めて4カ月ほどの間、いろいろなことをしてきましたが、これが『格闘家・安保瑠輝也第2章』の始まり。最高の相手を用意してもらいました。(ブアカーオは)タイの国民的スターですが、俺の攻撃を食らったらビックリすると思う。KOで勝ちたい」(安保瑠輝也=CLUB es/team ALL-WIN)

 

 かねてから噂のあった「元K-1王者・安保瑠輝也のRIZIN参戦」が、4月13日、東京都内で開かれた記者会見で発表された。対戦相手は元K-1 WORLD MAXトーナメント王者のブアカーオ・バンチャメーク(タイ)。

 

 スーパーライト級王者に就いたこともあるK-1のリングを昨年末に離れた安保は、今年3月の『BREAKING DOWN7.5』に出場。47歳ですでにリタイア状態にある元K-1選手、シリル・アビディ(フランス)と対戦しKO勝ち。次なる闘いの舞台を求めていたが、大方の予想通りRIZINのリングに上がることとなった。

 

 対戦相手のブアカーオは、2000年代半ばに『K-1 WORLD MAX』のリングで活躍した日本のファンにもおなじみの人気ファイター。40歳となり、すでに全盛期を過ぎているが現役を続けており、昨年もムエタイの殿堂ラジャダムナン・スタジアムのリングに上がり2度、エキシビションマッチながら日本人ファイターと対峙した。

 8月に三浦孝太(BRAVE)を3ラウンドTKO、10月には佐藤嘉洋(JKF新瑞橋)を1ラウンドTKOで葬っている。

 

 試合はキックボクシングルールで行われるが、年齢差は一回り以上ある。全盛期にある安保が圧倒的優位だと思われるが、ブアカーオもRIZIN継続参戦を求めておりやる気満々。激しい打ち合いが見られそうだ。

 

 元K-1城戸康裕も参戦

 

 また会見では、4・29代々木『RIZIN LANDMARK5』及び、5・6有明『RIZIN.42』における対戦カード変更、追加対戦カードも発表された。

 

 まず、『RIZIN LANDMARK5』。

 上田幹雄(BRAVE)vs.カルリ・ギブレイン(ブラジル)は中止に。これは、ギブレインの出国が不可能になったため。上田は、6月24日開催の真駒内『RIZIN.43』のリングに上がることになる。

 アリ・アブドゥルカリコフ(ロシア)との対戦が決まっていたジョニー・ケース(米国)は練習中、ヒザに大怪我を負い欠場に。代役として雑賀“ヤン坊”達也(DOBUITA FIGHT SPORTS GYM)がアブドゥルカリコフと対戦する。

 

(写真:RIZIN初参戦の元K-1戦士で80戦以上のキャリアを誇る城戸康裕 ⓒRIZIN FF)

『RIZIN.42』では、征矢貴(パラエストラ松戸)がヒザの怪我で出場できず。ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)の対戦相手は浜本“キャット”雄大(クロスポイント大泉)に変更された。

 

 そして同大会の追加カードが3つある。

▶MMAルール/71キロ契約

岸本篤史(BRAVE)vs.ビクター・コレスニック(ロシア)

▶MMAルール/66キロ契約

芦田崇宏(BRAVE)vs.摩嶋一整 (毛利道場)

▶キックボクシングルール/69キロ契約

城戸康裕(TEAM ONE)vs.木村“ケルベロス”颯太(NJKF心将塾)

 

 4・29代々木『RIZIN LANDMARK5』ダブルメインは、朝倉未来(トライフォース赤坂)vs.牛久絢太郎(K-Clann)、平本蓮(剛毅會)vs.斎藤裕(パラエストラ小岩)。

5・6有明『RIZIN.42』もダブルメインで朝倉海(トライフォース赤坂)vs元谷友喜(フリー)、井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)vs.ファン・アーチュレッタ(米国)が行われる。

 

 ゴールデンウィークは、RIZINで熱く盛り上がる。

 

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶4月16日(日)、東京・国立代々木競技場第二体育館/プロボクシングIBF世界ミニマム級暫定王座決定戦、重岡優大(ワタナベ)vs.ウィルフレッド・メンデス(プエルトリコ)ほか

▶4月21日(金)、東京・後楽園ホール/「RISE 167」ライト級タイトルマッチ、直樹vs.中村寛ほか

▶4月22日(土)、東京・後楽園ホール/「KNOCK OUT 2023 vol.1」ぱんちゃん璃奈vs.ワン・チンロンほか

▶4月23日(日)、大阪・世界館/「WARDOG CAGE FIGHT 42」ケビン・パクvs.チハヤフル・ヅッキーニョスほか

▶4月23日(日)、高松シンボルタワー展示場/「プロ修斗公式戦 FORCE 17」堀川“55”滉介vs.若山達也ほか

▶4月28日(金)、/東京・後楽園ホール「Krush.148」スーパーライト級王座決定トーナメント決勝ほか

▶4月29日(土)、東京・日本武道館/「全日本柔道選手権大会」

▶4月30日(日)、東京・立川ステージガーデン/「PANCRASE 333」ライト級王座統一戦、久米鷹介vs.アキラほか

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)


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