『2007ガリバーオールスター』第1戦は、ラミレス(ヤクルト)、前田智徳(広島)、森野将彦(中日)の3本のホームランで4点を奪った全セが4−0で全パにシャットアウト勝ち。注目のMVPは3回目の出場で初ホームランを放ち、先制点を叩き出したラミレスが獲得した。
 9投手リレーで全セが完勝(東京ドーム)
全パ   0 = 000000000
全セ   4 = 00000031×
勝利投手 久保田
敗戦投手 馬原
セーブ   藤川
本塁打  (セ)ラミレス2ラン、前田智ソロ、森野ソロ

 初回、久々に先発マウンドに上がった上原浩治(巨人)から先頭打者のTSUYOSHI(ロッテ)が内野安打を叩き出した。さらにTSUYOSHIはすかさず2盗を決めると、3盗をも狙いにいったが、キャッチャーの阿部慎之助が意地を見せてこれを阻んだ。

 このプレーで盛り上がりを見せた全パだが、その後は目まぐるしく代わる全セの投手陣に翻弄されてしまう。
 一方、全セも3回に阿部、4回に小笠原道大(巨人)がヒットを放つも、得点には結びつかず、両チームともに6回までゼロ更新が続いた。

 均衡が破られたのは7回。全パの4人目としてマウンドに上がった馬原孝浩(ソフトバンク)のストレートをフルスイングしたウッズ(中日)がセンターオーバーの2塁打を放つ。ここで代走に福留孝介(中日)が送られ、打席にはラミレス。ラミレスが馬原のスライダーを鋭く振り抜くと、ライナー性の打球は左中間スタンドの最前列へと飛び込んだ。
 さらに、代打に送られた前田智がやや低めのストレートをフルスイングすると、2者連続となるホームラン。ともにこれがオールスターでは初のホームランとなった。

 珍しくガッツポーズし、笑顔でダイヤモンドを一周した前田。インタビューでそのことについて聞かれると、「(ガッツポーズは)監督から楽しめ、と言われたのもありましたし、まさかホームランが出るなんて思っていなかったので、本当に嬉しくて……」と少し照れ笑いしながら語った。

 8回には代打・森野にもソロホームランが飛び出し、全セが4−0とリードを広げた。

 全セは落合博満監督(中日)が試合前に公言した通り、1人1イニングの投手リレーを決行。久々の先発マウンドに上がった上原から始まり、高津臣吾(ヤクルト)、林昌範(巨人)、木塚敦志(横浜)、岩瀬仁紀(中日)、黒田博樹(広島)、久保田智之(阪神)とつなぎ、藤川球児(阪神)が最後を締めくくるという豪華リレーで、全パを初回のTSUYOSHIが放った内野安打1本に抑え、快勝した。

 MVPは先制の2ランを放ったラミレスが獲得。「ファンもホームランを期待していたと思うし、その中で打てて嬉しい。3回目の出場で、初めてのホームラン。最高の気分です」と笑顔で語った。

 21日は会場をフルキャストスタジアム宮城に移し、第2戦が行なわれる。先発投手は全セがプロ入り8年目にして初出場の高橋尚成(巨人)、全パはルーキーの田中将大(楽天)の予定だ。
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