プロバスケットボールリーグ『B.LEAGUE』のB1は、8チームが進出した「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」(CS)で優勝が決まる。東地区から千葉ジェッツふなばし、アルバルク東京、中地区から川崎ブレイブサンダース、横浜ビー・コルセアーズと各地区上位2チームずつが進出。西地区からは琉球ゴールデンキングス、島根スサノオマジックに加え、ワイルドカードに滑り込んだ広島ドラゴンフライズと名古屋ダイヤモンドドルフィンズの計4チームが参戦する。8チームの中で初のCS出場となるのが、横浜BCと広島だ。

 

 共にクォーターファイナルから高い壁が立ち塞がる。中地区を川崎に次ぐ2位に入った横浜BCは、川崎との“神奈川ダービー”だ。今季、PG河村勇輝、Cチャールズ・ジャクソン、SF/PFデビン・オリバーを中心に33勝27敗。過去6シーズンは勝率5割以下、その間B1残留プレーオフにも参戦したチームは躍進を遂げた。キャプテンのPG森井健太は「新しい歴史をつくった。チャレンジャーとして神奈川ダービーでしっかり勝てるように戦っていきたい」と意気込む。

 

 しかし川崎との対戦成績は今季1勝3敗。通算でも2勝32敗と圧倒的に分が悪い。チームスタッツを見ると、1試合平均の得点は川崎が82.5点、横浜BCは82.2と大きく変わらない。横浜BCはリバウンドリーグ4位のジャクソン、同10位のオリバーを中心としたインサイドが武器となる。チームの1試合平均リバウンドはリーグ2位の40.4。ゴール下の争いを制し、試合を優位に運びたい。

 

 気がかりは7日のレギュラーシーズン最終戦で負傷した司令塔・河村のコンディションだ。8日のCS会見に出席予定だったが検査のため欠席。今季アシスト王に輝き、得点ランキングでも4位に入ったチームの得点源を欠くとなると、厳しい戦いが強いられるだろう。

 

 西地区4位ながら41勝18敗と各地区3位以下のチームで2番目の勝率(6割9分5厘)を記録した広島は、“下克上”を狙う。B1昇格後の過去2シーズンは蚊帳の外だったCSに辿り着いた。昨季はシューターのSG辻直人、司令塔のPG寺島良、2020-21シーズンの得点王ニック・メイヨら大型補強を敢行しながら29勝28敗の西地区6位だった。

 

 今季からチームキャプテンを務める辻は開幕前、「昨季は選手が大きく入れ替わり、HCも代わって1シーズン目。まだ広島のバスケットボールの土台がなく安定した勝ち星に繋げられなかった」と反省点を述べた。加入2季目のキャプテン就任にあたり、「新しいチャレンジなので自分自身の成長に繋がると思う。昨季はチームにあまり言えなかったことも積極的に発言し、みんなを鼓舞していきたい」と燃えていた。

 

 8日のCS出場チームによる会見で、辻は「初めてのCS出場。新しい歴史をつくれましたが、自分たちの目標はあくまでもCSの優勝。強豪が待ち構えていますが、精一杯戦いたい」と前を向いた。対戦する千葉Jは東地区王者で、今年の天皇杯を制した。B1最高勝利(53)、同勝率(8割8分3厘)を塗り替えた千葉Jのアップテンポなバスケットを止めるのは容易ではないが、今季の対戦成績は1勝1敗の五分だ。アップセットの可能性はゼロではないはずである。

 

◆「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」クォーターファイナル対戦カード
・千葉ジェッツふなばしvs.広島ドラゴンフライズ @船橋アリーナ
・島根スサノオマジックvs.アルバルク東京 @松江市総合体育館
・川崎ブレイブサンダース vs 横浜ビー・コルセアーズ @川崎市とどろきアリーナ
・琉球ゴールデンキングス vs 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ @沖縄アリーナ

 

※週末のCSに先駆けBS11では5月10日(水)19時から『Be a booster!B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23』を放送予定です。出場する全8クラブの戦力分析に加え、キープレーヤーへのインタビューなど必見の内容となっています。

 

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