11日、「NTTジャパンラグビー リーグワン2022-2023」のディビジョン1プレーオフトーナメント準決勝で対戦する埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)と横浜キヤノンイーグルス(横浜E)が出場登録メンバー23人を発表した。レギュラーシーズン1位で、連覇がかかる王者の埼玉WKはキャプテンHO坂手淳史、SO松田力也がスタメン、HO堀江翔太がリザーブに入った。レギュラーシーズン4位の横浜Eは南アフリカ代表46キャップのSHファフ・デクラーク、ジャパン70キャップのSO田村優らがスタメン入り。キャプテンのCTB梶村祐介、ウェールズ代表29キャップのLOコリー・ヒルは「100%ではない」(沢木敬介監督)ためメンバーから外れた。

 

 2日後の迫った決戦のメンバーが発表された。埼玉WKは南アフリカ代表のLOルード・デヤハーとCTBダミアン・デアレンデ、オーストラリア代表のWTBマリカ・コロインベテが名を連ねた。ハーフ団はSH内田啓介と松田。PR稲垣啓太、坂手、PRヴァルアサエリ愛の第一列で臨む。ロビー・ディーンズ監督が「自信を持って送り出せる」という陣容だ。

 

 坂手はプレーオフでの戦いを「セットピースと規律が重要になってくる」とキーポイントを挙げる。対戦相手の横浜Eのゲームキャプテン、FL嶋田直人も「反則をしたら3点とられる。いかに規律高くアタック、ディフェンスできるか。それができればイーグルスの流れになる」と語っていた。

 

 特に規律面は今季の埼玉WKの懸案事項だ。1試合平均は10.2はリーグ2位の少なさだが、ここ2シーズンは1試合平均2ケタを切っていただけに、満足できる数字ではないだろう。第15節で静岡ブルーレヴズに負け、リーグワンの実質無敗記録(不戦敗2)を止められたのも反則が一因である。それでもレギュラーシーズン最終節は7個に抑えた。前半に限れば1個にとどめる修正力の高さを見せつけた。

 

 前身のトップリーグを含めても初の4強入りを果たした横浜Eは王者の埼玉WKに挑む。沢木監督は今週を振り返り、「月、火曜とメチャクチャいい練習ができた」と手応えを口にした。「いい準備ができた時は自信がつくし、それがパフォーマンスに繋がる」。この日の練習では「試合で起こり得る状況」を想定できたという。

 

 プレーオフに向け、指揮官は「特別なことは何もしなくていい。自分たちのスタイル、ラグビーをどれだけクオリティ高くできるか」と意気込む。「スペシャルプレーはあるのか?」と水を向けられると「やんないですね。そういうことにしておきましょう」と、かわした。

 

 果たして国立競技場でのファイナルに進むのは――。堅守の埼玉WK、多彩なアタックを持つ横浜E。両チームの持ち味がぶつかり合う好ゲームを期待したい。

 

(文・写真/杉浦泰介)