6月27日、日本武道館で「K-1 WORLD MAX2007開幕戦」が行われ、4季ぶりの優勝を狙う魔裟斗(シルバーウルフ)が、Hero’sミドル級王者のJ.Zカルバン(ブラジル/アメリカントップチーム)を判定3−0で下し、10月に開催される決勝トーナメント決勝戦進出を決めた。
(写真:試合後、充実した表情を見せる魔娑斗)
「(カルバンのパンチは)俺には当たらない」と試合前に語っていたようにはいかなかったが、K-1初参戦のカルバンを相手に経験の差を見せ付けた。大振りなパンチが目立つカルバンに対し、手数と正確性で上回り、幾度となく相手の顔面にストレート、アッパーを見舞った。KO勝利とはならなかったが、判定3−0で快勝。8強入りを決め、悲願の2度目の頂点に向かって大きく前進した。

 04、06年大会王者ブアカーオはK-1初出場のニキーを相手に判定3−0で貫禄の勝利。初代王者のクラウス、2年連続日本王者の佐藤も判定勝利で順当に決勝トーナメント進出を果たした。
 2月の日本代表決定トーナメントでK-1二戦目のアンディ・オロゴンに屈辱の判定負けを喫した小比類巻は得意の足技でツグトを寄せ付けず、判定3−0の完勝で復活を印象付けた。

(写真:劇的なKO勝利で会場を沸かせたサワー) 判定勝利が数多かった今大会で衝撃的なKO勝利を見せたのは、2シーズンぶりの戴冠を狙うサワー。1R2分過ぎ、目の覚めるようなクロスカウンターをローセンの顔面に叩き込み、マットへ沈めた。
 今大会の結果、1つの推薦枠を除く決勝トーナメントに進出する7名が決定。終わってみれば、4名の歴代王者が名を連ねる順当な結果となった。



 
<魔裟斗、10月の決勝戦に手応え>

 試合後、魔裟斗は満足そうな様子でカルバンとの闘いを振り返った。
「周りがよかったと言ってくれたから、よかったかなと。2発くらいもらっちゃったけど、まあまあでしたね」
 勝敗を分けたのは第2ラウンドだったという。
「1Rでは結構もらっちゃったけど、2Rでボディが効いたのか、相手の動きが鈍くなって、パンチが見えるようになった」 

 フィジカルトレーニングがうまくいっているようで、「(カルバンに)力負けしなかった。相手が強いなとは思わなかった」と笑顔。10月の決勝戦に向けて、「1週間ぐらい休んで、(トレーニングを)すぐに始めます。8月には1週間から10日ぐらいキャンプを張る。今年引退しなかったのは、今年頑張るためだから、やりますよ」と充実の表情で語った。王座奪還へ――日本のエースの前方は視界良好といえそうだ。

試合結果は以下の通り

<第9試合>
○魔裟斗(日本/シルバーウルフ)
3R判定 3−0 
×J.Zカルバン(ブラジル/アメリカントップチーム)

<第8試合>
○ブアカーオ・ポー.ブラムック(タイ/ポー.プラムックジム)
3R判定 3−0
×二キー・ホルツケン(オランダ/ゴールデングローリージム)

<第7試合>
○アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ)
3R判定 3−0
×ヴァージル・カラコダ(南アフリカ/ウォリアーズMMAアカデミー)

<第6試合>
○アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシングオランダ)
1R 2分7秒 KO
×オーレ・ローセン(デンマーク/Untamed)

<第5試合>
○佐藤嘉洋(日本/フルキャスト・名古屋JKファクトリー)
3R判定 3−0
×デニス・シュナイドミラー(ドイツ/Feuer sports)

<第4試合>
○マイク・ザンビディス(ギリシャ/メガジム)
延長判定3−0
×ドラゴ(アルメニア/ショータイム)

<第3試合>
○アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテンオデッサ)
3R 1分24秒 KO
×イ・スファン(韓国/韓国体育館)

<第2試合>
○小比類巻貴之(日本/チームドラゴン)
3R判定 3−0 
×ツグト“忍”アマラ(モンゴル/フリー)

<第1試合>
○TATSUJI(日本/アイアンアックス)
3R判定 2−0
×アンディ・オロゴン(ナイジェリア/チームオロゴン)
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