千葉ロッテマリーンズが四国アイランドリーグの1チームを保有し、育成選手や指導者の派遣を検討していることが明らかになった。現在、各球団を分社化しているアイランドリーグだが、高知ファイティングドッグスのみ買い取り手が見つかっていない。そのため、諸条件がクリアになれば来季からロッテが高知を保有する可能性が出てきた。

▼高知・藤城監督「ファンへの説明が必要」
 今回の構想はアイランドリーグ側からもちかけられた。アイランドリーグを運営するIBLJはNPB12球団に資本参加や下部組織化、交流試合の増加などを提案。ロッテ側から「チームをひとつ獲得する形で検討したい」との返答があった。
 ロッテは昨年のドラフトで高知から角中勝也外野手を獲得した縁もある。バレンタイン監督は今季の育成ドラフトで大量に選手を確保し、20名程度を球団に送り込む構想を明らかにした。アイランドリーグ側も歓迎の意向だ。

 ただ、アイランドリーグの選手はドラフトの対象となっており、ロッテが“囲い込み”のように球団を保有することには他球団から反発が予想される。また、支配下登録選手が球団とかわす統一契約書では、所属球団以外でのプレーを禁じられている。今春には阪神タイガースが2軍選手のリーグ派遣を検討したが、実現には至っていない。育成選手には規制がないものの、統一契約書も含めた選手契約のあり方を見直す必要が出てくる。

 育成選手は65人以上の支配下選手を保有している球団が獲得でき、現時点では人数制限はない。昨年の育成ドラフトでは、巨人が7名の大量指名を行い、話題になった。ところが2軍での試合出場は1試合に5人までとの制限があり、出場機会が充分に与えられないとの問題点もある。これまでロッテは育成選手を採用していなかった。

 なお、コミッショナー事務局側は「実行委員会での承認が必要」「細かいルール整備が必要」との姿勢を示した。受け入れを表明したアイランドリーグにとっても、外部からの参入は地域密着の球団運営にブレが生じる懸念がある。また、仮にロッテが球団を保有しても、撤退した場合はどうするのか。このリスクも考慮しなくてはならないだろう。構想の実現には紆余曲折が予想されそうだ。

高知・藤城和明監督
ファンへの説明が必要
 新聞等の報道でしか状況がつかめていない状況なので、現場としては静観するしかない。選手たちにも動揺はなかった。明日から首位・香川に一泡吹かせてやろうと張り切っている。やるべきことをやるしかないと選手たちには伝えている。
 NPBでも長い歴史の中で親会社が変わったり、合併があったりした。プロの世界ではこういうことはあるものだと考えている。(経営が)どういう形になろうとも、我々としては1年1年が勝負。力があれば生き残れるし、なければクビになるだけ。(監督としての今後については)実際になってみないと分からない。
 NPB選手の受け入れ自体は野球の底辺を拡大するためなら賛成だ。ただ、今回の構想ではNPBの選手が大量にやってくると聞いている。昨日も選手たちと田植えをしたり、こちらとしては地域密着の取り組みを続けてきた。そういった流れがなくなってしまわないか、やや心配だ。
 いずれにしても今回の件で一番心配しているのはファンの方たち。今後もチームを応援し続けてもらうには、四国のみなさんにどう説明していくかが大事になるだろう。

<6月25日に高知−香川戦を追加>
 IBLJは、雨天中止になった高知−香川戦を、6月25日(月)13時から高知市営球場で行うと発表した。

<6月20日(水)の予定> ( )内は予告先発
東部球場     高知−香川 10時
東部球場     高知−香川 第1試合終了20分後
・抽選で素敵なプレゼントを来場者にプレゼント

太陽石油はアイランドリーグのオフィシャルスポンサーです[/color][/size]
◎バックナンバーはこちらから