今年の5月8日(月)から感染症法上の位置付けが「5類感染症」へと移行された新型コロナウイルス感染症。これに伴い、世間は加速度的に日常を取り戻しつつある。

 

 愛媛FCのホームゲームにおいても様々な面で感染症拡大以前の普段の光景が戻りつつある。サポーターとしても、気兼ねなくホームゲームを楽しめることができて、本当に嬉しい。

 

 昨年9月から「声出し応援エリア」を設け、マスク着用の制限付きで試験的・段階的に声出し応援なども可能となったJリーグ。

 

 現在は、マスクの着用義務も無くなり、全客席での声出し応援が可能となっている。これにより、応援の迫力も増して、スタジアム全体が華やかな明るい雰囲気を取り戻している。

 

 愛媛FCのホームゲームでは、スタジアム内外にて様々なイベントを行っている。こちらでも大きな変化が感じられる。

 

 コロナ禍では中止されていたが、試合前のピッチ内練習開始前に、観客席へ選手たちがサインボールを投げ込むプレゼント企画が復活。また、試合終了後の選手たちとの写真撮影やサインなどの(出待ちと呼ばれる)ファンサービスが5月27日(土)より再開された。試合後、ニンジニアスタジアムの第1ゲートに停車している選手バス周辺には、大勢のファンが詰め掛けていた。

 

 感染症拡大以前、愛媛FCホームゲームで勝利した後には「勝利の餅まき」が恒例となっていた。メインスタンド席・入場口外側のスロープ通路部分の踊り場から、その日の試合で活躍した選手数名が中央広場や、その周辺に集まったファンやサポーターに向けて、大量のお餅をまくのである。

 

 6月17日(土)に行われたホームゲームでは愛媛FCが見事勝利。試合後、その「餅まき」が約3年半ぶりに実施され、大変な盛り上がりを見せていた。

 

 まかれるお餅の中には、景品が貰える当たり付きのお餅もあり、選手たちへお餅を求める人々からの歓声が沸き起こっていた。

 

 私が代表を務める愛媛FCサポーターズクラブ「ラランジャ トルシーダ」の活動のひとつとして試合前、ご来場いただいた方々を巻き込んでの応援練習がある。その応援練習はホームゲーム時に、スタジアム外の中央広場で行っており、コロナ禍においては、人々と距離を取りつつ手拍子応援の練習などを行っていた。

 

 現在は、大人の方だけでなく、多くの子どもたちにも近くまで集まっていただき、手拍子と共に声出し応援の練習もできるようになり、以前の姿に戻ってきている。

 

 内容としては、応援初心者の方にも分かっていただけるように、私が各チャントの説明を行い、最初に見本として太鼓を叩きながらチャントを唄う。続いて私が音頭を取りつつ、集まっていただいた皆さんと一緒にチャントを唄ったり、手拍子をしたりして、応援を覚えていただいている。

 

 今まで(感染症拡大時では)人との距離を保ちつつ、気を遣いながら応援練習を行ってきた。最近は、エチケットに気を付けながらも、人々の近くでコールアンドレスポンス的なこともできるので、とてもやり易い。

 

 特に子どもたちは応援に興味を子ども示してくれる。その反応も素晴らしい。太鼓にも興味があるらしく、集まってくれた子どもたちにマレット(太鼓の枹)を渡すと、嬉しそうに太鼓を叩いてくれる。覚束ないテンポながら、基本コール(エヒメエフシーコール)を叩いて、一緒に声出しをしてくれる子どもたちもいて、とても微笑ましい光景でもあり、サポーターとして将来有望に感じたりしている。

 

 そんな明るい雰囲気のスタジアムが戻ってきたことで、良い影響があったのか、愛媛FCトップチームのJ3での戦いは好調だ。現在(第16節終了時点)リーグ戦において(20チーム中)2位。J2昇格圏内に付けており、選手たちやスタッフは本当に良く頑張ってくれていると思う。サポーターたちも気分良く応援ができているし、これからも感謝の気持ちを込めた応援で選手たちを後押ししていきたい。

 

 少しずつではあるが、様々な面において日常を取り戻してきているニンジニアスタジアム。あとはJ2という「日常」を是が非でも取り戻したい。

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


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