サッカー女子ワールドカップオーストラリア・ニュージーランド大会グループC第2節女子日本代表(FIFAランキング11位、以下なでしこ)対女子コスタリカ代表(同36位)の試合が26日(日本時間)、ダニーデンスタジアムで行われ、なでしこが2対0で勝利した。この後に行われる同組のスペイン代表対ザンビア代表戦で、スペインが引き分け以上なら、なでしこの決勝トーナメント進出が決定する。

 

 決勝T進出に弾みつける勝利(ダニーデンスタジアム)

なでしこ 2-0 コスタリカ代表

【得点】

[な] 猶本光(25分)、藤野あおば(27分)

 

 なでしこは前節、勝利したザンビア戦から4人メンバーを入れ替えたものの、システムは同じ3-4-2-1。一方、初戦のスペイン戦に敗れ、あとがないコスタリカは4-2-3-1を採用した。最終節のスペイン戦前に勝ち点を積み上げたいなでしこ、最低でも勝ち点1は取りたいコスタリカ。システムのミスマッチをどう埋めるか、または利用するかが注目だった

 

 蓋をあけてみれば、コスタリカの4バックは不発と言ってよかった。なでしこの1トップ2シャドーがコスタリカのセンターバック2枚を揺さぶった。1トップのFW田中美南(INAC神戸レオネッサ)が最前線から落ちてタメをつくり、センターバックをつり出した。その空いたスペースを先発した2列目のMF猶本光(三菱重工浦和レッズレディース)やMF藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)が侵入した。

 

 均衡を破ったのはなでしこだった。25分、ペナルティーエリア外中央から田中が左サイドへ展開する。このパスを受けた猶本がペナルティーエリア内左サイドから左足を一閃。鋭いシュートがファーサイドに突き刺さった。

 

 その2分後、なでしこが追加点をあげた。左サイドからのクロスが右サイドタッチライン付近まで流れた。このこぼれ球を藤野が拾いそのままドリブルでペナルティーエリア内に侵入し、角度のない位置から右足でニアをぶち抜いた。この得点で藤野はW杯初ゴールを記録。また、19歳180日での得点は男女通じて日本人W杯最年少となった。

 

 なでしこの池田太監督は後半に入ると、主力温存策に出た。13分には田中と藤野、終了間際にはMF清水梨紗(ウェストハムユナイテッドウィメン)をベンチに座らせた。

 

 主力を休ませつつ、ボールをキープして時計の針をうまく進めたなでしこが2対0のままコスタリカに勝利した。この後にキックオフする同組スペイン対ザンビア戦で、スペインが引き分け以上ならば、最終節(対スペイン戦、日本時間7/31の16時キックオフ)を残してなでしこの決勝トーナメント進出が決定する。

 

(文/大木雄貴)