川崎Fvs.バイエルン国立決戦 背番号42に注目せよ!

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 ジャパンツアー中のドイツ王者FCバイエルン・ミュンヘンが29日、Jリーグの川崎フロンターレと東京・国立競技場で対戦する。ブンデスリーガ11連覇を果たしたスター軍団に、J屈指の攻撃力がどこまで通用するかにも注目だが、ここでは“バイエルンの至宝”にスポットを当てる。
 
 今回の日本ツアーにトーマス・ミュラー、マヌエル・ノイアーら日本に馴染みのある選手は参加しなかったが、それでもドイツの名門は層が半端なく厚い。ドイツ代表MFヨシュア・キミッヒ、同MFジャマル・ムシアラ、同FWセルジュ・ニャブリ、スイス代表GKヤン・ゾマー、オランダ代表DFマタイス・デ・リフト、フランス代表DFダヨ・ウパメカノ、クロアチア代表DFヨシプ・スタニシッチ、カナダ代表DFアルフォンソ・デイヴィスらに加え、今季加入の新戦力韓国代表DFキム・ミンジェ、オーストリア代表MFコンラート・ライマーと各国代表をズラリと揃えた。
 
 中でも注目は20歳のムシアラだ。19年、チェルシー(イングランド・プレミアリーグ)からバイエルンに移籍。翌年20年6月、フライブルク戦にブンデスリーガでデビューを果たした。17歳115日でのデビューと、17歳205日での初ゴールは、いずれもクラブ最年少記録である。
 
 現在20歳にして、このクラブの中心人物と言っていいだろう。昨年のカタールW杯でも日本代表の脅威となったアタッカー。覚えている日本のファンも多いだろう。細身の184cm。独特の間合いとリズムから繰り出すドリブルは、スキーのスラロームのように滑らかだ。パススキルも高くチャンスメイク能力に長ける。さらに決定力も有しており、昨季はリーグ戦33試合で12ゴールを挙げた。

 

 最終節の1FCケルン戦で終了間際に決勝ゴールを叩き込み、バイエルンの11連覇に貢献した。その得点シーンを振り返ってみよう。一度GKにセーブされたボールを拾い、左サイドからニャブリがムシアラにボールを預けた。ムシアラはしなやかなボールタッチで反転。そのまま右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。

 

 26日のマンチェスター・シティ(イングランド・プレミアリーグ)戦は前半のみのプレーだったが、それでも能力の高さを存分に発揮した。17分、センターサークル付近でボールを持つと、滑らかなドリブルで敵陣に侵入。ドイツ代表FWレロイ・ザネをスルーパスで走らせた。ペナルティーエリア内でリターンパスをもらうと、シュートまでいったが相手DFにブロックされた。38分にはペナルティーエリアで強烈なシュートを放ったもののGKに防がれた。
 
 いずれものシーンも得点の匂いを大いに感じさせ、6万人を超える観衆を沸かせた。川崎F戦でもメンバー入りするなら、彼がキーマンとなることは間違いない。背番号42から決して目を離すべきではない。
 
BS11では試合を20時から放送。解説は現役時代、ドイツでプレー。指導者になってからは川崎Fの監督を務めた風間八宏氏が担当する。こちらもぜひご視聴ください。
 
(文/杉浦泰介)
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