関東ラグビーフットボール協会は4日、都内で開幕前共同記者会見を行った。関東大学対抗戦Aグループと関東大学リーグ1部の監督が出席。9日に開幕するリーグ戦に向けて意気込みを語った。全国大学選手権&関東大学対抗戦Aグループ連覇がかかる帝京大学の相馬朋和監督は「昨年同様、一戦一戦、目の前の試合を全力で戦いたいと思います。対抗戦を戦いながら1段、2段といいチームにしていきたい」と抱負を述べた。

 

 大学選手権連覇のメンバーからCTB松山千大(→トヨタヴェルブリッツ)、CTB/FB二村莞司(→クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、SO高本幹也(→東京サントリーサンゴリアス)らBKを中心としたメンバーが抜けた。それでも下級生からレギュラーとして活躍したHO江良颯(4年)、FL/No.8奥井章仁(4年)、LO青木恵斗(3年)などFWが支える。

 

「BKがたくさん卒業しましたので、FW中心のチームにはなると思う。ただ夏合宿でもBKが頑張っていました。シーズンが進んでいきながらより良いチームになっていくことを期待しています」と相馬監督。深紅の王者は、春季大会、夏合宿で負けなしで秋を迎えた。

 

「また新しいシーズンが始まる。ワクワクしている」

 監督就任2季目の指揮官は、昨季の肌感覚から「より近付くようになりましたし、任せることよりも指導する機会を多くした」という。

「教えたことをすぐできるようになっても、ちょっとやらないと忘れてできなくなる。自分がしたこと、しなかったことが、はっきり返ってくるのが学生を教えていて思うことです」

 

 開幕戦はグループBから昇格した成蹊大学と対戦する。「春季大会、夏合宿。ゲームの立ち上がり、スコアされることが多かった。そのあたりをどう修正していくのかが課題になる」。今のところ、王者の傲りは見られない。

 

 昨季2部からの昇格組でリーグ戦に旋風を起こした東洋大。開幕戦で東海大学を破るなど3位に入り初の大学選手権出場を果たした。「去年は去年。今年は今年。チームのみんなもそう思っている」と福永昇三監督。注目は2m超のLOジョーン・ウーストハイゼン(2年)。地域振興等に関する協定を結ぶ埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)の練習に参加し、「目の色が変わってきた」という。
「LOルード・デヤハー選手らとコミュニケーションを取った。CTBダミアン・デアレンデ選手らトップ選手たちが居残りして練習する姿を目にした。去年より活躍するんじゃないかと思います」

 

 注目のルーキーも加入した。WTB坂本琥珀(←仙台育英)は、宮城県発祥と言われる空道で全国大会優勝経験を持つ。空道とは打撃に加え、締め技、投げ技もある総合武道。「タックルにも物怖じせずタックルにいく」(福永監督)。花園に3度出場し、3年時の全国高校7人制大会ではベスト4入りに貢献した。春季大会からアピールを続け、WTBのポジションを勝ち取りそうだ。東洋大が今季も旋風を巻き起こすには、必要なルーキーと言えよう。

 

(文・写真/杉浦泰介)