第313回 「刮目」 ~アウェー岐阜戦のPVイベント~
7月の公式戦を終え(第20節終了時点)、J3にて首位をひた走る愛媛FCトップチーム。
8月5日(土)には第21節が行われ、アウェーの地にてFC岐阜と対戦。この試合を地元(愛媛)からも応援しようと、また直近のホームゲームの告知も兼ねて、愛媛FC事務局主催によるパブリックビューイング・イベント(PVイベント)が開催された。
今回のイベントが行われた場所は、伊予郡松前町にある巨大ショッピングモールの「エミフルMASAKI」。その施設内の一角であるグリーンモールで行われた。2019年まで「愛媛FCキックオフフェスタ」などのイベント会場として、お世話になっており、サポーターとしては馴染みの場所でもある。
今回は久しぶりの公共スペース(愛媛FCのファン・サポーター以外の一般のお客様が往来されている場所)でのイベントということもあり、事務局の方と一緒に、このPVを盛り上げるべく、私たち「愛媛FCサポーターズクラブ・ラランジャ トルシーダ」もイベントへ参加し、協力させていただくことになった。
この日の試合(第21節)は午後6時のキックオフ。イベントフロアの開場は午後5時30分の予定とされていたが、私たちは午後4時過ぎには会場に到着。早めに会場入りした理由は、「キックオフフェスタ」と同じく、応援横断幕を掲出するためである。
会場の雰囲気を少しでもスタジアムに近付けるため、横5m×縦1.8mの「伊豫魂」幕を持ち込み、イベントフロア吹き抜けの2階部分の手摺へと設置した。
並行して事務局スタッフやボランティアスタッフによる会場の設営も順調に進み、予定通り午後5時30分には、愛媛FCファン・サポーターの入場が開始された。
この日は、愛媛県内各地で花火大会や夏祭りなど、各種大規模イベントも同時刻に行われていた。来場者の集まりが心配されたが、蓋を開けてみれば、用意されていた座席も、ほぼ埋まり、立ち見のお客様もいたほどだ。また2階バルコニーから観戦される方もおられ、思いのほか賑わった。
午後5時40分、司会者の進行でイベントがスタート。PV会場でコールリードを務める私は、試合開始15分前に司会者の方に呼び込んでいただき、イベントフロア中央へと登場。ご来場戴いた皆さんにご挨拶し、その後、応援のレクチャーや応援練習などをさせていただいた。来場者の殆どが常連サポーターの方々だったこともあり、応援練習でのノリも良く、大きな発声の「愛媛FCコール(基本コール)」や手拍子がイベントフロアの吹き抜けに響き渡った。
試合がスタートすると、より応援の熱は増し、要所要所で基本コールやチャントを来場者の方々と共にうたい、気持ちをアウエーの地へと届け続ける。するとイベントフロア周辺を往来している一般の買い物客も『何事か?』と足を止め、PVイベントの様子に注目してくださる方もいた。
今回のイベントには、シークレットゲスト(ゲスト解説者)として愛媛FCトップチームの森脇良太選手も来場され、試合展開などを分りやすく解説してくださった。その解説では一部、出場選手(チームメイト)との関係性や選手の人柄など、普段は聞けない様な話しも飛び出し、ファンも喜んでいる様子だった。
試合は、愛媛FCが相手チームの倍以上のシュートを放つも得点には至らず、0-0の引き分けに終わった。得点チャンスを活かしきれず悔しさが残る試合ではあったが、今回のPVイベントを多くのファン・サポーター仲間と一緒に盛り上げることができて本当に良かった。
この3年間、コロナ禍において公共の場でのイベント自体、無くなっていたし、開催されたとしても、皆で声を出してコールやチャントをうたうことは禁止されていた。
今回は声や手拍子の応援で気持ちを届けることが叶ったし、一般の買い物客の方々にもイベントを通じ、少しでも愛媛FCのことをアピールできたのではないか。
イベント会場をご提供いただいた「エミフルMASAKI」様やイベントを計画し開催してくださった愛媛FC事務局、忙しいシーズン中にも関わらずゲストとして来場してくださった森脇選手には感謝を伝えたい。
現在(第25節終了時点)、J3首位の愛媛FCトップチームではあるが、ホームゲームの観客動員数は伸び悩んでいる。森脇選手もイベント最後の締めの挨拶で、「是非、ホームゲームに来てください」とコメントされており、集客を気にされていた。
せっかく、選手やスタッフの方々が全力で頑張り、素晴らしい戦績を積み上げてくれているのだから、今こそ愛媛FCに注目していただきたい。
愛媛FCの魅力を発信し、多くの方々にスタジアムへ足を運んでいただくためにも、今回のようなスタジアム外でのイベントや告知活動が重要になってくるのではないかと感じている昨今である。
<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>
1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。