オールブラックス、4度目Vへ王手 ~W杯フランス大会~
現地時間20日、ラグビーW杯フランス大会準決勝がパリ郊外サンドニで行われ、プールA2位のニュージーランド代表(オールブラックス)がプールD2位のアルゼンチン代表(ロス・プーマス)を44-6で下した。オールブラックスは2大会ぶりの4度目の優勝をかけて28日の決勝に臨む。
単独最多となる4度目の世界一へ、あと1勝とした。オールブラックスがロス・プーマスを好守で圧倒した。
1次リーグ初戦は黒星スタートながら準決勝にコマを進めてきた両軍。オールブラックスは2大会ぶり5度目、ロス・プーマスは初の決勝進出をかけた戦いとなった。
ロス・プーマスにPGで先制を許したオールブラックスは、11分にひっくり返す。敵陣に侵入。最後はSOリッチー・モウンガの飛ばしパスを受けたWTBウィル・ジョーダンがインゴール右に飛び込んだ。モウンガがコンバージョンキックを決め、7-3とリードを奪った。
流れるようなパスワークはもちろんのことディフェンスもオールブラックスの強みである。15分にはWTBマーク・テレアが自陣ブレイクダウンでターンオーバー。その後のCTBジョーディー・バレットのトライに繋げた。23分にもFLシャノン・フリゼルが自陣で相手ボールをもぎ取った。
その後は互いにPGで3点を重ねて15-6とオールブラックスがリード。前半終了間際にスクラムでアルゼンチンのコラプシングを誘った。そのまま攻め続け、フリゼルがインゴール左にトライを挙げた。モウンガのコンバージョンは外れたものの、20-6とリードを広げた。
後半に入ってもオールブラックスのペース。開始2分、ラインアウトモールからSHアーロン・スミスが抜け出し、パスダミーを交え、インゴール右に飛び込んだ。9分にはフリゼルが敵陣深くで3人がかりを相手にしてインゴールにねじ込んだ。スキルでもパワーでも圧倒する。
仕上げはトライゲッターのジョーダンだ。22分にインゴール左隅に2本目のトライを挙げると、シンビンで1人少ない状況下の34分。自陣でのラインアウトから抜け出し、一気に加速する。ハーフウェイライン付近で前方に蹴り込み、自ら追いついてインゴールに滑り込んだ。ハットトリック達成で大会記録に並ぶ今大会8トライ目を挙げた。
オールブラックスはアルゼンチンをノートライに抑え、試合終了の笛を聞いた。試合開始前のサンドニは雨が降っており、芝もスリッピーな状態だったがハンドリングエラーは目立たないスキルの高さを見せつけた。パス、ランのほかセットプレーでも相手を圧倒した。決勝は21日に行われるイングランドvs南アフリカの勝者と対戦する。
(文/杉浦泰介)