愛媛FCはホームゲームにおいて、マッチシティやマッチタウンなどが設定されており、毎試合、愛媛県内の各地域の方々には大変、御世話になっている。グループや組織の垣根を越え、愛媛FCサポーターたちが集う「愛媛ゴール裏net」では日頃、ホームゲームの運営に、ご協力いただいている各地域の皆様へ御恩返しを行いたいと考え、今シーズンもスタジアムでの応援活動だけではなく、各所での清掃活動や災害地域での復興ボランティア活動等にも取り組んでいる。

 

 新型コロナウイルス感染症拡大前は、月1回くらいのペースで取り組んできた各地域でのホームタウンクリーン活動(清掃ボランティア活動)。コロナ禍においては、活動を一部控えてきたが、現在は本来のペースへと戻しつつ活動を継続している。

 

 9月24日(日)には、松山市内の中ノ川通り周辺にてゴミ拾い活動を行った。晴天に恵まれたこの日、(集合時刻)午前10時に現地へ集合したのは、愛媛FCのユニフォームやオレンジ色のTシャツ等を纏った10名のサポーター有志。

 

 活動の場所が松山市中心街のそばの幹線道路ということで車や人、自転車等の往来も多い。安全に配慮しつつ、清掃活動へと取り組んだ。

 

 歩道を歩きながら、片手に持ったトング(火ばさみ)でゴミを拾い上げ、ビニール袋へと詰め込んでいく。一見すると、きれいに見える歩道でも、目を凝らすと植樹帯の低木の中には、様々なゴミが落ちている。上から覗いても分かり辛いが、少し腰を落として横から覗くとペットボトルやアルミ缶、食品のパッケージや包み紙、不織布マスクなどが無造作に捨てられていることに気付く。植栽の横からトングを差し込み、それらのゴミを慎重にピックアップ。その後、ビニール袋へと入れていく。

 

 道路脇で特に目立つゴミが、タバコの吸い殻である。10年近く清掃ボランティアの活動に取り組んできたが、一番多く拾っているのは断トツでタバコの吸い殻。この事実が今も変わっていないのは、とても残念に感じる。吸い殻のポイ捨てを行っているのは、一部の喫煙者の方だけであるとは思うが、そういった方には今一度、マナーやモラルのことを真剣に考えていただきたい。

 

 今回に限らず、ゴミ拾いの作業をしながら、すれ違う地元の方々に「こんにちは」と挨拶したり声掛けすることが度々ある。すると気さくに挨拶を返してくれたり、中には活動へ興味を持っていただき、(立ち話しではあるが)お話ししたりすることも多々ある。

 

 愛媛FCのユニフォームやグッズを身に付けていることもあり、愛媛FCの話題(戦績やホームゲームの開催日時など)を話し掛けられることもしばしば。ホームタウンでの活動なので、こういったことも良く起こる。愛媛FCサポーターとしては喜ばしいお声掛けである。

 

 この日は1時間程の作業ではあったが、今回もサポーター仲間と一緒に楽しくお話ししながら、ゴミ拾いの活動を行うことが出来た。拾い集めたゴミは45リットルのビニール袋で3袋。“少しでも中心街の美化へ貢献できたのでは”と感じている。

 

 サポーターによるホームタウンクリーン活動は、人や街のために役立ちたいから行っているものではあるが、愛媛FCのユニフォームやオレンジ色のTシャツ等を纏い、オレンジ色のタオルやグッズを身に付け、サポーターが集団として活動することにより、街の皆さんに愛媛FCのことをアピールする機会となることも、今回のような活動の良い所だと思う。

 

 仕事やサポーターとしての応援活動等で益々、忙しくなる日々ではあるが、愛媛FCのホームタウンを訪れたアウェイ(対戦相手)のサポーターの皆さんに、“美しい街だな”と思ってもらえるように、また内外へ誇れる街にしていくためにも、今後も清掃ボランティア活動へ取り組んでいきたい。

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


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