女子サッカー・2023-24WEリーグ開幕節の日テレ・東京ヴェルディベレーザ(東京NB)対AC長野パルセイロ・レディース(AC長野)の一戦が12日、味の素フィールド西が丘で行われ、3対1で東京NBが勝利した。試合は、前半10分にDF村松智子が右CKから頭で合わせ、東京NBが先制。後半24分、北村菜々美が追加点を決めた。AC長野は30分、MF伊藤めぐみが1点を返すものの、MF木下桃香にダメ押しの3点目を決められた。

 

 新10番・木下、司令塔として機能(味フィ西)

東京NB 3-1 AC長野

【得点】

[東] 村松智子(10分)、北村菜々美(69分)、木下桃香(84分)

[長] 伊藤めぐみ(75分)

 

 2季連続でリーグ戦3位に終わった東京NB。初優勝に向け、3年目の初戦を白星で飾った。昨季のリーグ得点王(14点)・植木理子が海外移籍により抜け、システムを4-1-4-1から4-4-2に変更した。FW藤野あおばと本来はサイドアタッカーのFW山本柚月が2トップを組んだ。

 

 10分、東京NBが右CKから村松が相手のマークを引きはがし、ファーサイドからニアサイドに走り込み、頭で合わせて先制した。後半24分には山本のスルーパスに北村が抜け出す。GKとの1対1の場面、冷静だった北村は相手GKの股下を通すグラウンダーのシュートでリードを広げた。

 

 この6分後だった。東京NBは、AC長野の伊藤に1点を返された。しかし、39分、東京NBの中盤でタクトを振るっていた若干20歳の司令塔、木下が結果を出す。中盤でボールを捌き、自身はスルスルとフリーランニングで相手DFの裏を狙う。この動きを見逃さなかったDF宮川麻都が浮き球のパスをDFラインの背後へ送る。これを木下がワントラップし、右足でゴール左に流し込み、ダメ押しとなる3点目を決めた。

 

 試合後、木下はこう語った。

「あささん(宮川の愛称)から良いボールが来たので、ありがとうと言いたいです。チームとしても個人としてもあまり先は見ず、ワンプレーワンプレー、良いプレーをして結果的にタイトルが見えてくれば1番いいと思います」

 

 日本代表については「ベレーザでのプレーが全てなので、それが先につながればいいです。そのためにここでのプレーにこだわりたい」。

 

 20歳の司令塔は、チームにリーグタイトルをもたらすことはできるのか。注目の逸材である。

 

(文/大木雄貴)