2023-24WEリーグ第3節、日テレ・東京ヴェルディベレーザ対三菱重工業浦和レッズレディースの一戦が23日、味の素フィールド西が丘競技場で行われ、2対2の引き分けに終わった。試合は前半11分、東京NBがMF土方麻椰のゴールで先制し、24分にはFW山本柚月が追加点を決めた。後半26分、浦和LのFW菅澤優衣香、40分にMF塩越柚歩が得点し、両チーム勝ち点1を分け合った。

 

 浦和は監督の采配が的中(味フィ西)

東京NB 2-2 浦和L

【得点】

[東] 土方麻椰(11分)、山本柚月(24分)

[浦] 菅澤優衣香(71分)、塩越柚歩(85分)

 

 優勝を争うことが予想される東京NBと浦和が第3節で対戦した。東京NBは4-4-2、浦和は4-2-3-1でスタートした。

 

 前半は東京NBが優勢だった。自陣から丁寧にボールをつなぎ、浦和のプレスを綺麗に剥がした。均衡が崩れたのは前半11分。敵陣で相手のビルドアップをインターセプトした東京NBのMF木下桃香が右サイドに開く山本へ展開。山本はグラウダ―のクロスを供給すると、土方がワントラップ。鮮やかな右足のキックフェイントで相手DFを振り切り、左足を一閃。右隅を狙いすましたシュートはGKの逆を突き、ゴールネットを揺らした。

 

 東京NBは攻撃の手を緩めなかった。24分、ワンツーで左サイドを抜け出したMF北村菜々美がゴール前に走る山本に丁寧なラストパスを送った。山本は左足でダイレクトシュートを放つもののGKに阻まれる。しかし、こぼれ球が山本の前に転がってきたところを右足で押し込んだ。

 

 このまま東京NBが主導権を握るかと思われたが、昨季女王クラブが意地を見せた。浦和は途中出場した菅澤と塩越が1点ずつ決め、引き分けに持ち込んだ。

 

 東京NBにとっては手痛いドローとなったが、アンダーカテゴリー代表の土方の働きが光った。土方は今年9月から10月にかけて中国で開催されたアジア競技大会のメンバーにも選出された逸材である。元々はストライカーだが、右サイドハーフでの起用がメインとなっている。

 

 土方は自らの長所と課題をこう述べた。

「攻撃面では相手DFラインの背後を狙うアグレッシブなプレーが得意です。守備面では前線からのプレスの自分のいいところだと思うので、そこは迷わずに出し続けたいです。今までは中央でのプレーが多かったためポストプレーはずっとやってきたのですが、サイドハーフになると仕掛ける場面が多くなります。今は右サイドなので縦や中に仕掛けるプレーをどんどん増やしていきたい。試合で経験を積んで、徐々に自分のものにしていきたいと思います」

 

 FW色の強い右サイドハーフに今後も注目だ。

 

(文/大木雄貴)