ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜外野手が7日、本拠地ヤンキースタジアムでのシアトル・マリナーズ戦の第3打席でレフトに二塁打を放ち、日米通算2000本安打を達成した。日米通算で2000本安打を達成したのはイチロー(2659安打)に続き、2人目。日本のみでは過去34人が達成している。
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 前々日に本塁打で王手をかけて11打席目、記録達成は以外な形でやってきた。2打席凡退で迎えた6回、一死から松井は外角のボールに泳がされ、レフトに平凡なフライをあげる。ところが白球が太陽と重なりレフトが落球。松井は二塁に進み、エラーが記録された。

 ところが、7回になって記録が訂正。レフトへの二塁打となり、思わぬ形での2000本安打達成となった。松井は7回の第4打席では2死2塁から完璧なライト前タイムリーを放ち、2001安打目をマークしている。

 松井は93年にドラフト1位で石川・星稜高から巨人に入団。初安打は同年5月1日、ヤクルト戦で西村龍次投手から打ったタイムリー二塁打だった。同年の8月22日から03年にFAでヤンキースに移籍するまで、1250試合に連続出場。巨人の主砲に成長し、3度の日本一に貢献した。日本での成績は1268試合出場、1390安打、332本塁打。

 ヤンキースに移っても松井は常勝軍団に欠かせない存在として、4年連続の地区優勝に貢献。06年5月、守備機会の際に左手首を骨折するまで日米通算で1768試合に連続出場していた。ケガからの復活にかける今季も4月に左太ももを痛めたが、すぐに復帰し、喜びの瞬間を迎えた。メジャーでの成績は554試合出場、610安打、80本塁打。

 なお、試合は松井のタイムリーなどでヤンキースが終盤にリードを広げ、5−0で連勝した。マリナーズのイチロー、城島健司はそろって4打数無安打だった。


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 当HP編集長・二宮清純の携帯公式サイト「二宮清純.com」では、松井の記録達成を記念して、二宮清純が過去に執筆したコラムを数回にわたって配信します。その一部をご紹介しましょう。

Vol.1 プロの洗礼

 進化する怪物――。

 これはプロ入り2年目、シーズンフル出場を果たし、ホームランを前年の11本から20本台(20本)に乗せた巨人・松井に対して私が命名したニックネームである。そしていま、ふたたび彼にニックネームをつけろと言われたら、私はまた同じ言葉を選択する。
「進化」と「怪物」という2つの言葉の中に、松井秀喜のすべては凝縮されている。松井秀喜という稀にみる怪物が、克服すべき自分の課題を見つけ、それをひとつひとつクリアして、ポケモンのように、さらに巨大で強力な怪物に進化を遂げていく姿。

 一例を挙げよう。
 松井秀喜はプロに入った当初、内角高めのボールにまったく手が出なかった。
 いまでも鮮明に覚えているシーンがある……

(この原稿は03年5月発行、廣済堂出版『プロ野球「人生の選択」』の中から抜粋し、再構成したものです。)

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 5投手の継投で完封リレー
シアトル・マリナーズ    0 = 000000000
ニューヨーク・ヤンキース 5 = 00002120×
勝利投手 ラズナー(1勝1敗)
敗戦投手 ワシュバーン(2勝3敗)

【松井成績】
 4打数2安打1打点
第1打席 二ゴロ
第2打席 空振三振
第3打席 左二塁打
第4打席 右前安打(1打点)

【イチロー成績】
 4打数0安打
第1打席 一ゴロ
第2打席 一ゴロ
第3打席 二ゴロ
第4打席 右飛

【城島成績】
 4打数0安打
第1打席 空振三振
第2打席 捕邪飛
第3打席 三ゴロ
第4打席 右飛
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