「結果にこだわるシーズンに!」 〜ビーチバレー佐伯美香、シーズンに向け抱負を語る〜

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 4月27〜29日、愛知・新舞子マリンパークで行われるファイテンビーチバレーJBVツアー第一戦愛知大会を皮切りに、ビーチバレーの2007年シーズンが幕を開ける。北京五輪出場権をかけた本格的な戦いとなる「FIVBワールドツアー2007」も5月1〜5日の中国大会からスタートする。
 北京五輪の表彰台を見据えるダイキの佐伯美香選手・アテネ五輪代表の楠原千秋選手(湘南ベルマーレ)ペアにとって重要となる今シーズン。愛知大会を前に平塚のビーチパークで最終調整を行う佐伯選手に抱負を訊いた。
――シーズンに向けた調整は順調ですか?
佐伯: 2月から平塚、沖縄、平塚で合宿を行ってきましたが、監督、コーチ、トレーナーと恵まれたスタッフの中で、体力的にも技術的にも安定してきましたね。楠原と、昨年8月からペアを組んで、昨シーズンは個々の力で試合に臨んだという感じでしたけど、今シーズンはきちんとチームづくりをした上で臨めるので、試合を迎えるのが楽しみです。

――合宿の内容はどのような流れでやってこられたのでしょうか。
佐伯: 練習の内容自体はほとんど変わっていませんが、徐々にゲーム形式など実践に近い練習を増やしています。その中でどれだけチームとしてのかたちを安定させていけるかですね。去年は、試合の中でも高いトスを打ってみたり、長いトスを打ったり、と自分たちのチームにとってどういうかたちが良いのかいろいろ試していった感じでした。楠原が前でブロックして、私が後ろでレシーブする、という個々の役割がある中で、攻撃に関しては、楠原はテクニックを使って高いトスを上げる、私は速い長いトスを上げる、というそれぞれのかたちができてきたと思います。

――オフシーズンには肉体改造に取り組まれたそうですが、特に強化された部分は?
佐伯: シドニー五輪のときに比べて、出産後、体力的に弱っているところがあったんですが、現役復帰をしてからトレーナーをつけてきちんとトレーニングをすることがなかったんですね。ウェイトトレーニングで、特に股関節周りの強化を今シーズンからやり始めたことで、低い姿勢でレシーブができるようになりましたね。低い姿勢を長く継続できるように、シーズン中もトレーニングを続けていきたいと思っています。
 出産のときには骨盤が開くのですが、それによって特に内転筋の奥の筋肉が弱くなっていたんです。力が入らなくなっていて、それをカバーするために低い姿勢がとれていなかったという状況でしたが、そこをもう1回使えるように筋力をつけていきました。だいぶ使えるようになってきたので、今度は砂の上で実践に近づけていくことですね。

――出産を経ての現役復帰後、身体の変化を感じた部分はほかにありますか?
佐伯: 現役復帰してからずっと腰痛を抱えていたんですが、これはうまくつきあっていかないといけないんだと思っていたんです。トレーニングによって、全くなくなったわけではないですけど、軽減されましたね。今まではそこまでのトレーニングができていなかったので、大事なシーズンを前にトレーナーと相談しながら取り組めているというのはすごく強みですね。
 出産したから仕方がない、ではなく、何が原因かさえわかれば、そこを強化することで、35歳でもまだまだ進化できるんだな、と。やはり若い頃より疲労が抜けにくいということはありますが、自分の容量も年齢とともにわかってくるので、そのあたりはうまくコントロールしながらやっています。

――昨シーズン、ワールドツアー最終戦では9位。良いイメージで今シーズンに臨めるのでは?
佐伯: 自分たちとしても、ここまでの結果が残せるんだと自信になりました。だからといってワールドツアーで結果を出すのが簡単なことではないのはわかっていますが、9位という結果を、今シーズンでもプラスにしていきたいですね。

――ところで、息子さんの健太くんはこの春から幼稚園の年長さんだそうですね。長い合宿や遠征に入る前は、ご家族と離れるのも辛いのでは?
佐伯: 離れるときは一番辛いですね。健太も5歳になって、だいぶいろいろなことがわかってきました。私が合宿や遠征に行く前はなかなか離れなくなっているので、遊んでいる最中とかにいつもコソッと逃げるように出るようにしているんです(笑)。私がいるときは甘えん坊になるんですけど、遠征などで不在のときは、ちゃんとお父さんの言うことを聞いているみたいですね。「今は我慢しないといけないんだな」ということが本人の中でもわかっているんでしょうね。遠征中も電話で話したりしますよ。

――先日、柔道の谷亮子選手も出産を経て復帰されましたが、結婚や出産を経て一線で活躍する選手が今後、ますます増えていきそうですね。
佐伯: 今までであれば、結婚、出産したら引退、という流れが普通でしたけど、今はそういう時代でもないと思いますし、これからそういう選手がさらに増えていくんじゃないですか。家族を持つことによって、それまでなかった問題はいろいろ出てきますが、それ以上に、選手としてプラスになる部分は大きい。そのプラスの部分を励みにして頑張れると思います。結婚、出産したから夢をあきらめるんじゃなくて、今夢を持たない子供が増えているといわれていますけど、そうやって親が頑張る姿を見せることによって、子供も夢を持てるような子に育ってくれるんじゃないかな、と。これは願望ですけど(笑)。

――シーズンに向けての意気込みをお願いします。
佐伯: チームとしての形ができてきて、徐々に安定してきていますので、シーズンに入って試合をするのが楽しみです。昨シーズンは楠原と国内で優勝することができなかったので、今年は結果を追求していきたいですね。ワールドツアーでは、今年から五輪予選が始まりますが、年内に出場権を確定させるくらいの気持ちでシーズンに臨んでいきたいです。(※五輪出場権はワールドツアーランキング上位24チーム、1カ国2チーム。五輪開催国の中国は3チーム)早めに確定しておけば、五輪に向けても早い段階から調整できますから。早く本選から上がれるポイントを稼いでいきたいですね。そうすることで五輪出場権も近くなってくると思います。
(写真:北京五輪でのメダル獲得を目指す佐伯選手・楠原選手(左)ペア)


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関連リンク>>(財)大亀スポーツ振興財団
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