「今年こそ1部リーグ復帰へ!」 〜いよぎんソフト部・大国監督、門屋選手インタビュー〜

※「いよぎんレポート」では社会人リーグで活躍する伊予銀行女子ソフトボール部、男子テニス部の活動のようすをお届けしていきます(月1回更新予定)。


〜大国香奈子監督インタビュー〜
――コーチから監督に就任された昨年、チームの成績は2部リーグで12勝4敗で4位という結果でした。シーズンを振り返っていかがですか?
大国: 戦力的に考えたら、1位で上(1部)には絶対行けると思っていました。最悪でも2位で入れ替え戦には挑めるだろう、と。ところが開幕直前にファーストを守る選手が怪我をしてしまい、急きょ、守備を大幅に変更せざるをえなかった。開幕までに守備を合わせきれなかったのが敗因かなと思っています。
(写真:監督就任2年目となる大国監督)
――02年から05年の4年間は1部リーグに在籍されていましたが、2部降格の要因と考えるところは?
大国: 私がコーチ兼選手に就任したのが03年。3年間、1部リーグでプレーしましたが、常に下位(03年11位、04年12位、05年12位 ※12チーム中)だった。負けグセがついていたのかなとも思います。他チームからは「いよぎんは打線がいいね」と言われることが多く、確かに点数は取っていましたが、それ以上に失点が多いチームだった。選手たちの中には「点は取っているのだから、そのうち勝てるだろう」というおごりもあったと思います。そういう気持ちでは絶対に勝てない。守備がどれだけ大事か、という意識が足りなかったですね。1部リーグでの3年間で、点を取られないようにすることがどれだけ大事かを実感しました。
――オープン戦を終えて、日本リーグに向けてチームとしての手ごたえはいかがですか?
大国: 今年は、去年のレギュラーで主力だった3選手が退部し、新人が4人入りました。メンバーが大きく入れ替わっているので、オープン戦では若い選手にどんどん実戦の舞台を経験させたかった。新人をとにかく使っていこう、と。マドンナカップ(3月13〜16日)はほとんど指示を出さずに好きなようにやらせて、今の自分のたちの実力を分かってもらった上で、トヨタカップ(4月6〜8日)に入りました。後半の2試合の相手は、豊田自動織機と日立ソフトウェアという、1部リーグの上位チーム。両チームを相手に、3−1、2−0と負けはしましたが、しっかり課題を与えて取り組んだ中で、守備がそこそこできたのと、バッテリーが修正できたのは良かった。思うように点数は取れませんでしたが、内容的には上向きになっていると思います。

大国: ただ、今年は部員が15人しかいない中、キャプテンとエースという、主力選手2人が怪我で戦線離脱してしまっているんです。今年、キャプテンに抜擢した川野真代は12月の合宿中に怪我をして、エースの坂田那己子はマドンナカップでヒザを痛めてしまった。今現在で13人しかいないので、かなり厳しい状態ですね(苦笑)。とはいえ、あまり悲壮感を出しても仕方がないので、しっかり切り替えていきたいですね。現場は、副キャプテンの門屋美香がよくまとめてくれています。
――監督に就任されて、この1年でチームが成長したと感じるところは?
大国: 私が就任した頃は「指示待ち」の選手が多いと感じました。「誰かがやってくれるだろう」「誰かが言ってくれるだろう」という受け身の選手が多かった。自主性、個性が足りないのをすごく感じましたね。去年、監督に就任してからは、ソフトボールの技術的な細かい部分は教えますが「あとは自分で考えてやりなさい」と、自主性を持たせるために、教え過ぎないことを意識しました。
そういう部分では、昨シーズンを振り返ると、守備では乱れがありましたが、攻撃に関しては「つなぐ」ということをしっかりできましたし、盗塁もノーサインで選手が自ら走ることができた。選手個々の力もついてきています。まだ少しやらされている感じの子もいますが、もっと自分たちで考えて動けるようになれば、ソフトボールの面白さもさらに感じられると思います。
――20日から日本リーグが開幕。リーグ戦とはいえ、全チームと1度ずつ対戦します。カギになりそうなところは?
大国: リーグとはいえ1回総当たり戦なので、ある意味、トーナメントですよね。これ以上故障者が出なければ、開幕3連勝するつもりでいます。まずは初戦の平林金属。新規のチームなので、勢いはあると思いますが、ここをしっかり勝ちたいですね。初戦で勝てばある程度、波に乗れるんじゃないかと。あとは1部から降格してきた、日立マクセル、大鵬薬品。この2つをしっかり戦いたいですね。
――シーズンに向けての具体的な目標は?
大国: 1部リーグ復帰。最低でも2位に入ることですね。怪我をしている2選手も、後半戦には間に合うかな、と。チームとしては、新人で今年初めてマスクをかぶるキャッチャーの松田が、どれだけ落ち着いてピッチャーをリードできるかがカギを握ると思います。
――今シーズン、いよぎんソフト部のここを見てほしい、というところを教えてください。
大国: もともと長打力があり「打つ」チームと言われていますが、今年は守りを見てもらいたいですね。守りと機動力。走れるチームだと思っていますので、守備と走塁に注目してほしいと思います。

〜副キャプテン・門屋美香選手インタビュー〜
――昨シーズンは2部リーグ4位。振り返っていかがですか?
門屋: 負けた試合は、自分たちの力を全て出せていたら、勝てない試合ではなかったと思う。技術的な部分だけではなく、最終的には気持ちが弱かったからかな、と。去年までは1部を経験している先輩たちがいましたが、今年は上の人たちが抜けて、入部5年目の自分たちがチームで一番上になった。今年はメンバーもレギュラーもガラッと変わって、レベル的には去年より落ちるかもしれないですけど、技術というよりは、チームワーク、精神面で負けないように、みんなで意識してやっていきたいです。
――現在、チームとして力を入れているところは?
門屋: やはり守りですね。守りをしっかりすれば、勝つとは限らないけど、負けはない。そこはみんな意識してると思います。あとはやっぱり、気持ちの部分ですよね。監督からも「勝ちにこだわれ」とよく言われます。「どんな状況であっても、試合が終わるまで何が起きるかわからんから」と。最後まであきらめない、強い気持ちを持ちたいですね。
もうすぐ日本リーグが開幕しますけど、全員がそういう意識を持って臨めるように、みんなでミーティングしたり、声をかけあったり、そういう機会は去年、先輩がいたときより増えていると思います。技術的に飛びぬけた選手がいない分、気持ちでカバーして結果につなけたいですね。
――今シーズンの目標は?
門屋: 1部リーグ復帰ですね。去年は開幕戦で負けてしまった。それは技術的なことが劣っていたわけではなく、試合の入り方だったり、「勝てるだろう」という甘い気持ちがあったと思うんです。今年は若いチームですし、チャレンジャーのつもりで、一戦一戦、勝ちにこだわっていきたい。オープン戦(マドンナカップ、トヨタカップ)では、勝った試合は少なかったですけど、強い気持ちを持てば一部のレベルの高いチームとも対等に戦えるという手ごたえを感じました。この勢いをシーズンにつなげていきたいですね。シーズン中も、機動力や勢いを見てほしいです。

門屋: 精神面でも引っ張っていきたいですし、センターというキャッチャーが一番よく見えるポジションで、守備でも引っ張っていきたい。一番意識しているのは、1番バッターの役割ですね。きれいに打てるにこしたことはないけど、フォアボールでもデッドボールでも(笑)、どんなかたちでもまず、塁に出ることですね。打率というよりは足を使って出塁率にこだわっていきたい。自分がチャンスメーカーとなって、チームに勢いをつけたいですね。
<伊予銀行女子ソフトボール部>
※監督:大国香奈子
※コーチ:中矢 亮子
※選手
投 清水美聡(23・園田女大)
〃 坂田那己子(22・熊本八代東高)
〃 高本ひとみ(22・済美高)
〃 六角麻未(21・聖カタリナ高)
〃 ○外山裕美子(18・奈良文女短大付属高)
捕 重松文(21・愛媛女短大)
〃 松田沙織(19・済美高)
〃 ○明見茉紀(18・徳島辻高)
内 矢野輝美(22・徳島辻高)
〃 中田麻樹(21・済美高)
〃 古賀郁美(20・福岡三瀦高)
〃 ○中森菜摘(18・京都成安高)
外 ◎川野真代(22・徳島辻高)
〃 門屋美香(22・済美高)
〃 ○仙波優菜(18・済美高)
(◎は主将、○は新人)
<日本女子リーグ2部・伊予銀行の日程>
■第1節(滋賀県草津市矢橋帰帆島公園多目的グラウンド)
4月20日 平林金属
21日 甲賀健康医療専門学校
22日 YKK
■第2節(福岡県北九州市桃園運動場)
5月11日 日立マクセル
12日 日本精工
13日 東芝北九州
■第3節(島根県雲南市木次運動公園野球場、三刀屋緑が丘公園野球場)
6月8日 大和電機工業
9日 三島関病院
10日 大鵬薬品
■第4節(八幡浜市市民スポーツパーク)
9月7日 日本ウェルネススポーツ専門学校
8日 カネボウ化粧品小田原
9日 NECアクセステクニカ
9日 松下電工・津
■第5節(三重県熊野市山崎運動公園熊野市総合グラウンド)
10月19日 湘南ベルマーレ
20日 東海理化
20日 島根三洋電機
21日 TOETECK
